中日が”阪神クラスター感染余波”に困惑
しかし、現在、PCR検査に対処できる範囲に限界があるため、厚労省のPCR検査対象者のガイドラインでは、感染者との濃厚接触だけでは検査を受ける条件を満たさない。「37.5℃以上の発熱または呼吸器症状を有し、“かつ“感染が確定した者との濃厚接触歴がある者」でなければならない。「原則として健康観察期間中である無症状の濃厚接触者は検査対象とはならない」ともされている。 阪神サイドも、地域アドバイザー、保健所の指示に従っており「異常がないからPCR検査を受けさせたくとも受けられない」というやむを得ない事情がある。 だが、一方で、ガイドラインには例外として「クラスターが継続的に発生し、疫学調査が必要と判断された際には検査対象とすることができる」とある。12人以上が参加したとされるパーティーで7人の感染者が出た今回のケースは、「クラスターが継続的に発生した」という一文に当てはまるのではないだろうか。 中日の球団幹部は、「正直に言えば、残る4選手もPCR検査を受け、陽性か陰性かをハッキリして欲しいが、熱も出ていない、咳もない、嗅覚、味覚異常もないという状況で、PCR検査を受ければ、プロ野球選手だけは特別か?という世間の批判も受けるでしょう。困っている方々がたくさんいるのが現状。阪神さんの事情も理解できます」と理解を示した。だが、阪神から他球団への“バンデミック“を起こさないためには、早急の対応努力が必要だろう。 ちなみに厚労省は濃厚接触者の定義を「感染者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者、 適切な感染防護無しに感染者を診察、看護若しくは介護していた者 、感染者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性の高い者、手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安は 2 メートル)で、必要な感染予防策なしで、感染者と接触した者」と定めている。