はやぶさ2、今後の運用は? JAXA会見(全文1)28~30日に次回運用
対応策はすでに見出している
これは当初はここまでは想定していなくて、いかに精度がいいといってもそういう確率は非常に低いだろうと思っていたんですが、実際高度は高高度だったんで問題なかったんですけれども、撃った形跡があると、ターゲットマーカに当たった形跡があるということで、今回そこは念のために目を回さないような設定に、受信感度をわざと、あえて下げようということをしました。 それが実はその切り替え方とリュウグウの環境ですね、高度がどんどん下がっていくという環境でこれをやっていくときに、われわれの想定との間にミスマッチが生じたということです。これは切り替え方の問題ですので、今後の対応策としては、これ実はもう探査機がアボートして上昇中にそういうことだということを技術チームが全容を把握しまして、その結果としてノイズ混入を確実に防げる切り替え方式というのを今はもう見いだしております。次回以降はその方式を採用すれば、こういうことは問題ないというふうに思っています。 アボートしたこと自身は、そういう意味ではわれわれの当初の目的であるターゲットマーカ分離ができなかったので残念だったんですけれども、起きたことは常にわれわれの掌握下にあって、安全装置もきちんと働いたということで、ある確率でこういうことが発生することを念頭に計画をしていたので、そのうちの想定の1つにあったと。想定の1つのパスを進んだということになります。 ここまでがLIDARがアボートを引き起こした原因なんですが、10ページにまいりまして、1つ、そういう意味では想定外というか、いいほうの想定外がありまして、アボートが50メートルで発生しました。で、基本的にはアボートしたときには探査機は一目散に上昇します。上昇のときに上昇の経路を、小惑星を撮影するというシーケンスを残しておきました。 これは逃げ方によって何がどう写るかは分からないんだけど仕込んでおいたというものですが、これが幸いにも人工クレーター付近の非常に高解像度の画像を撮ることができていました。人工クレーターそのものだけではなくて、その周辺のわれわれがタッチダウンをする目標点であると言っていた部分を、これまでにない解像度で撮影することができておりました。