沖縄・竹富町の居酒屋で食中毒12人 ノロウイルス検出
沖縄県薬務生活衛生課は31日、竹富町小浜にある居酒屋で食事をした20~60代の12人がノロウイルスによる食中毒になったと発表した。同店を31日~2025年1月4日まで5日間の営業停止処分にした。患者は全員回復している。 【写真】食中毒を引き起こすカンピロバクター菌 八重山保健所の調査によると、12月20日に居酒屋を利用した17人のうち、島豆腐サラダ、ミミガーあえ物、紅イモウムクジ、シャコガイポン酢あえなどを食べた12人に下痢や嘔吐(おうと)、発熱の症状が出た。5人の便からノロウイルスが検出された。調理従事者2人の便からも同じ型のノロウイルスが検出された。 2024年1月1日~12月31日までの沖縄県内で発生した食中毒は24件163人(速報値)。前年同月期(29件、89人)に比べて5件少なく、患者は74人多い。 ノロウイルスは人間だけに感染して病気を引き起こす。ノロウイルスによる食中毒は10 月~3月(特に1~3月)に多発する。ノロウイルスに汚染された二枚貝(カキなど)、食品取り扱い者を介して汚染された食品を食べることで感染する。ウイルスに感染すると、個人差はあるものの症状が治まっても1週間程度(長ければ2~3週間)は便中にウイルスが排出される。潜伏期は24~48時間。主な症状は嘔吐、腹痛、下痢、発熱。 薬務生活衛生課は(1)カキなどの二枚貝はできるだけ加熱して食べる。加熱の目安は内部が85~90℃で90秒間以上(2)調理する人はトイレの後や調理前に十分に手を洗う(一般的な消毒用アルコールや逆性石けんは効果がない)(3)まな板、包丁、ふきんは洗剤などを使用し、十分に洗浄した後、熱湯や次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度は200ppm以上)で十分殺菌するよう注意喚起している。