3Kだなんて言わせない…建設業界が注目するカッコイイ作業着 社員のやる気、求人もアップ
かっこいいユニホームでやる気も求人もアップ-。鹿児島市のセンコウが販売する法人向け作業着が、人手不足に悩む建設業界で注目されている。見た目にこだわる若者らに好評で、オフィス改築などと比べると安価で企業イメージ向上や社員の連帯感を図れるとあり、社の象徴として捉える動きが広がっている。 【写真】おそろいのユニホームに身を包む岩田組の岩田三千男社長(左)ら=鹿児島市
建設業界は、離職増や高齢化で働き手が不足する。総務省のデータでは、国内の建設業従事者は1997年をピークに右肩下がりで、県内も2020年時点で20年前より約3割少ない6万3900人。人口減に加え「きつい、汚い、危険」の3Kイメージも残る。 現場の作業着もしゃれっ気はなかったが、センコウの下池周作副社長(41)は「見た目は会社の印象に直結する。若手社員が中心となり選ぶ企業もあり、会社への愛着心を育み人材流出防止にもつながっている」。県内建設業からの注文も「丈夫で長持ち」に加えて「若者が好む色」などが増え、現在は色や季節ごとのバリエーションを含め1万種類以上を取りそろえる。 「社内に一体感が生まれ雰囲気が良くなった」と話すのは、総合建設業・岩田組(同市)の岩田三千生社長(65)。同社は一昨年11月、センコウに依頼し作業着を一新した。営業や内勤職を含め40人以上がおそろいで、明るいモカ色は「清潔感がある」と好評だ。
導入から昨年3月までに20、30代の6人が入社した。同時期に有給休暇制度や福利厚生も積極的にPRしており「入社ゼロの年もあった。ホームページなどで作業着を見て親しみが湧いたのでは」と岩田社長。入社2年目の山口裕真さん(24)は「同じ服で汗を流すのはスポーツのようで心地良い。デザインも気に入っている」と笑顔を見せた。 センコウは医療用白衣や飲食店用制服も手がけ、県内4000社と取り引きする。建設業との共通点は、単なる服ではなく企業のシンボルになるようなユニホームだ。下池副社長は「仕事着を通して役に立つのが社のテーマ。今後も各業界の課題解決に一役買いたい」と意気込む。
南日本新聞 | 鹿児島