相次ぐ大会中止でも“損をしない“日本女子プロゴルフ協会へ漏れてきた不満の声
規定では大会公認料は中止でも返還義務なし
そもそも、トーナメントの開催可否の最終的な決定権は主催者にあり、トーナメントを公認するだけのJLPGAにはない。JLPGAは、協議など、話し合いの場にはもちろん参加しているが、ツアー関係者には、「無観客を前提に何とか開催しようと関係各所と連係し、感染予防策などを必死に講じている我々との温度差を感じる」とJLPGAに不満を漏らす者も少なくない。 開幕戦が中止となった当初、JLPGAの小林浩美会長は、「選手には生活がかかっている」などと主張し、無観客試合の実施を強く希望したという。だが、3月30日に都内で開いた記者会見では「人の健康と命にかかわる重大な問題。ツアーの開催は厳しい状況」などと話し、猛威をふるうウイルスに白旗を掲げた形。1試合ごとの中止発表についても、「まとめてお知らせしたいが、ツアーは主催者さんで成り立っている。一つ一つ大事に交渉しないといけない」などと述べ、これまで通りを強調した。 感染拡大に収束の兆しが見えない限り、体裁や企業イメージを何より優先する主催者が自ら重い腰を上げることはないだろう。 JLPGAが後押しし、リスクを一緒に負う覚悟があれば“ファーストペンギン“になる企業も現れるのかもしれないが、小林会長にその気は、今のところなし。ツアーが開催されなければ、JLPGAの財政も苦しくなると思うが、実はトーナメントがどれだけ中止になってもJLPGAは損をしない仕組みになっている。 各トーナメントを公認するJLPGAは賞金総額に比例した公認料を各トーナメントの主催者から受け取っている。規定では公認料は試合が中止になっても返還する必要はない。1試合につき数百万円とされる公認料はJLPGAにとっては、選手が納める年会費とともに収益の二本柱。ツアー関係者は苦々しくこう語る。 「中止になれば各試合に競技委員、スタッフなど人を出す必要もないし、持ち出しはなし。丸儲けですよ。あくまでも個人的な感想で、うがった見方かもしれないけど、感染のリスクを冒してまでツアーを開催する気なんてないんじゃないかとさえ思う。そうじゃないのかもしれませんが、印象として必死さを感じないんですよね」