「体全部を使って決めました」県立浦和FW國貞翼が胸・足・頭でハットトリック!滑川総合に4-2で勝利
第103回全国高校サッカー選手権東京予選の1次予選2回戦が県内各地で行われ、県立浦和(以下・浦和)と滑川総合が対戦。浦和が4-2で滑川総合を下し、ブロック決勝に勝ち進んだ。 【フォトギャラリー】県立浦和 vs 滑川総合 朝方、やや強めの雨が降ったさいたま市周辺。会場となった浦和高校のグラウンドは水はけが悪いため、水たまりが多くあった。しかし、浦和高校サッカー部の部員がグラウンド整備を行い、10時開始のゲームに備えた。 試合は浦和が先行していく。前半7分、右サイドのクロスをFW9國貞翼(3年)が胸で方向を変え、ネットを揺らし先制。しかし13分、滑川総合はセットプレーからMF13毛利健伸(3年)が決め、同点に追いつく。 反撃にまったく動じない浦和イレブン。実は、試合前のミーティングでキャプテンマークを巻くMF6森悠真(3年)の言葉が活きた。 「1対1の局面では絶対に負けず、決して弱気にならず、謙虚にひたむきでやっていこう」 この言葉通りのサッカーが展開される。浦和は右ウィングFW11 波田野功将(3年)、左ウィングFW小林潤(2年)の突破を起点に攻め続け、執拗なまでにクロスを上げ続ける。たとえ相手にボールを拾われても即時奪還し二次、三次攻撃を繰り出していく。これが奏功する。前半34分、コーナーキックの流れから、味方のクロスに反応したFW9國貞がダイレクトシュートを叩きこみ追加点。さらに前半アディショナルタイムには右サイドからのクロスをFW9國貞が頭であわせ、3点目。ハットトリックを達成した。 後半になり、滑川総合を押し込む浦和は飲水タイム直後の23分MF23植木彪(2年)が決め、4点目。試合を決定づけた。このままでは終われない滑川総合は後半アディショナルタイムの42分、セットプレーの流れからふたたびMF13毛利が決め、一矢を報いた。 「きょうは出来過ぎですね」とFW9國貞の3得点に目を細めたのは浦和高校の本田哲也監督。「ただ大事なところで決めてくれ、チームを救ってくれる選手」と称えた。そのFW9國貞、得意なパターンはクロスに対して頭で合わせるプレーだが、今回は胸、足、頭で決めた。「体全部を使って決めました」と充実の表情だった。 今回の滑川総合戦に向け、浦和はあるテーマをもって臨んだ。それは守備を敷く相手をいかに攻略するか。FW9國貞は「練習試合で同じような状況がありましたが、その時は焦って、シュートまでいけないことが多くありました。きょうは焦らず、後ろからつないで、丁寧なクロスがあがったシーンが多くありました」と勝因を語れば、MF6森は「引く相手を想定した練習をしてきたので、想定した通りの戦いでした」と結果と内容が伴ったゲームとなった。 一方、敗れた滑川総合、2得点ともにセットプレーからの流れから生まれた。試合を通じて、相手陣内に攻め入る回数自体、少なく、フリーキック、コーナーキックのシーンは数えるほど。その少ないチャンスでの2得点は今後の収穫となった。 (文・写真=佐藤亮太)