いま押さえるべきネイビースーツ スタイリスト・四方章敬が選ぶ3着
■おすすめ:3 「リネン混のネイビースーツ」
「リネンのシワは味と考えましょう」(四方さん) 最後に四方さんが紹介してくれたのは。リネンとウールをブレンドした生地を用いたネイビースーツでした。リネンは吸水性、放湿性、発散性に富み、シャリシャリとした清涼なタッチも楽しめる、天然の涼感素材。染めにくい素材のため、生地にするとややフェードした色合いとなりますが、そこも視覚的な涼感演出には好適だと四方さんは言います。 「リネンはコットン以上にシワになりやすく、ケアが面倒だと考える人もいるかもしれません。でもそのシワこそがリネンの味で、季節感ある伊達(だて)なスーツ姿を築くポイントだと思います。この生地のようにウールをブレンドしたものを選べば、シワの出方もきれいですよ」(四方さん)
■「ニットポロで上品にくつろぎ感を演出」(四方さん)
風格あるダブルブレストのデザインということもあり、普通にタイドアップしてももちろん絵になりますが、あえてブルーのニットポロを合わせ、くつろいだ雰囲気にまとめてみたという四方さん。 「役職についている方のオフィスカジュアルをイメージしてみました。合わせたニットポロは襟のロールがきれいで、リネンスーツの伊達な雰囲気ととてもマッチしていますね。またこのスーツなら、同じリネン素材のシャツをノータイで合わせてもすてきだと思います」(四方さん)
■今回の四方さんの着こなし
テーマに合わせて、ダブルのネイビースーツを着て今回の撮影場所である「麻布テーラー銀座7th店」に現れた四方さん。じつはこちらの素材もコットン100%。そのカジュアルな素材感にそろえてニットやスリッポンを合わせつつ、全体をネイビーのグラデーションでまとめたことでとてもシックな雰囲気でした。 文:吉田巌 スタイリング:四方章敬 写真:足立ゆり
吉田巌
編集プロダクション、広告代理店を経て25歳でライターとして独立。雑誌やWEB媒体で時計をはじめ、服、靴、鞄(かばん)、革小物など男性の煩悩をくすぐるアイテム全般について執筆。インタビュー記事も多くこなす。スイスの新作時計展および時計ブランド本社の取材歴も豊富。