イチローの超異例契約の真相とは?「日本復帰の可能性も契約上は残る」
シアトル・マリナーズが3日(日本時間4日)に発表したイチロー外野手(44)の会長付特別補佐就任。 来季の復帰に含みを残し、そのための練習機会、チーム帯同を認める異例の内容。ただ今季に関しては、仮に、チームの外野陣になにかアクシデントがあっても、「再びロースターに名を連ねることはない」という球団の説明は不可解だった。 なぜ来年はいいのに今年はだめなのか? 例えば、25人枠を空けるためなら、イチローを故障者リストに入れておき、外野に何かあった段階で戻すということはルール上可能。その場合、イチローはチームに帯同し、練習も出来る。今回の付帯条件となんら変わらない。来季の可能性を残すなら、そうした措置が選択肢にあってもいいはずだが、マリナーズはそれをしなかった。 噛み砕けば、今季は戦力としてみていない。しかし来季は、何があるか分からないからチャンスはあるーーということなのだろうが、それは詭弁でもある。 契約上、来季も現在の4人の外野手がチームに残留することが濃厚だ。 3日(日本時間4日)午後、会見に応じたジェリー・デュポットGMの言葉を改めて辿っても明確な答えはないが、契約交渉の過程で、「出口議論があった」ことは認めている。 故障したベン・ギャメルが復帰したときにどうするのか。いくつかのシナリオが話し合われるなかで、今回のスキームもその一つだったよう。 もっとも、こうなることが決まっていたとしても、今年はプレーできないということの説明にはならないが、取材を進めると、キーワードとして来年3月の日本開幕戦が浮かんだ。 以下、ある関係者の証言だ。 「取り引きというわけではないが、今年に関してはもうロースター枠を空けることは出来ない。ただチームは、来年の開幕戦には出て欲しい。おそらくチームは、このオフ、イチローとマイナー契約を交わして、来春のキャンプに招待するだろう。そして、開幕戦出場のレールを敷く。その後は分からない。イチローの活躍次第ではないだろうか。しかし、開幕戦までをセットで考えることで、今回の説明がつく」