シリア「死の収容所」政権崩壊で実態明らかに 拷問の形跡ある遺体も
強権的なアサド政権が崩壊したシリアで、政権による過酷な弾圧の実態が明らかになりつつある。首都近郊では刑務所の施設内で収容者とみられる遺体が見つかり、収容者が移送されたとみられる病院では眼球がえぐられるなど拷問の形跡がある遺体が発見された。政権を打倒した反体制派は関係者の責任を追及する方針だ。 【写真】家族や友人が突然姿を消した 遺体に数字、極秘写真が明かす拷問の跡 「オーブンの中に(複数の)遺体があった」。最も弾圧の問題が指摘される刑務所の一つで首都ダマスカス近郊にあるセドナヤ刑務所で、生存者を捜索したボランティア救助組織・シリア民間防衛隊(通称ホワイトヘルメッツ)の幹部は、カタールの衛星放送局アルジャジーラにこう語った。 元収容者らでつくるセドナヤ刑務所収容者・行方不明者協会によると、2011年からの8年間だけでも所内で処刑されたり、拷問や飢餓などで死亡したりした人は3万人以上に上るとみられ、協会の22年の報告は「死の収容所」と表現している。反体制派が施設に入り、数千人の収容者が解放された。
朝日新聞社