男子稲生が23年ぶり優勝 女子は鈴鹿が3連覇、三重県高校駅伝
男子第75回・女子第39回県高校駅伝競走大会は10日、松阪市久保町の男子(7区間42・195キロ)は稲生が2001年以来23年ぶり3度目、女子(5区間21・0975キロ)は鈴鹿が3年連続3回目の優勝を果たして、県代表として全国高校駅伝(12月22日・京都府)出場を決めた。男子4連覇を目指した伊賀白鳳は2時間9分42秒の2位だった。 男女上位6校が東海高校駅伝(11月24日・岐阜県)に出場し、男女2~6位校は東海大会で各県1位校を除く最上位に入って、東海地区代表での全国高校駅伝出場を目指す。 個人では、男子1区(10キロ)で高田3年の杉本憲亮が30分31秒で区間1位に輝き2年連続の区間賞。2区(3キロ)で伊賀白鳳3年の茂手木英人が第64回に下史典(伊賀白鳳=当時)が樹立した区間記録(9分20秒)を上回る9分17秒の区間新記録を出した。女子1区(6キロ)では稲生2年の小川真生が20分38秒で初の区間賞を獲得した。 出場7選手が全員2年生の男子・稲生は1区廣瀬聡真が首位と1秒差の2位でつなぐと2区田米香太郎で首位に浮上。3区尾宮将馬、4区岡野雄大、6区稲垣瑛心の区間1位の好走などで一度もトップを譲らず、2区以降2位につけた伊賀白鳳の猛追もかわした。 1区で稲生と62秒差の2位からスタートした鈴鹿は2区宮田莉子、3区山中千佳、4区山田和花、5区林里音の4連続区間賞の活躍で逆転。稲生と13秒差でタスキを受けた4区山田で逆転に成功すると、アンカーの林主将が1分以上の差をつけて3連覇のゴールテープを切った。
オール2年生で優勝もぎ取る 男子稲生、三重県高校駅伝
オール2年生で区間エントリーの稲生が、2001年以来の男子県高校駅伝を制した。最終7区。4連覇を目指して2位から猛追する伊賀白鳳に34秒差を付けてゴールテープを切った馬塲は「まだ実感がない」と23年ぶりの優勝に率直な気持ちをのぞかせた。 2位発進した1区で前年度覇者に50秒差をつけた。3000メートル障害でインターハイ7位などの実績がある高田のエース杉本が序盤からハイペースで飛ばす中で、1区の廣瀬が杉本にくらいつき、高田と1秒差の2位でタスキをつないで、2区の逆転につなげた。 多気中3年時に都道府県駅伝で県代表入り。今年10月の日本海駅伝でも1区7位と好走した。「1位でタスキをつなぎたかった」と悔しがる2年生エースに対して中武監督は「50秒は想定以上。杉本君としっかりマッチアップしてくれたおかげで後を楽にさせる展開ができた」とねぎらった。 昨年の県高校駅伝は4位で前年の13位からジャンプアップ。OBからはリオ五輪男子マラソン代表の石川末広選手ら日本代表も誕生している陸上部だが、近年長距離専門の指導者がおらず、東海高校駅伝出場からも遠ざかっていた。 古豪復活の転機は2年前の中武教諭の赴任。伊賀白鳳の前身・上野工OBで母校を率いて都大路でも入賞経験がある同教諭が陸上部顧問に加わって2年目の春、廣瀬ら中学からの長距離経験者が多く入部し、競い合いながら成長してきた。 久居中時代、目立った実績がなかった馬塲も「同じ学年の仲間から刺激をもらった」結果区間2位の好走。都大路も2年生主体で臨むこととなるが「今年優勝して都大路に出ることを大事にしてきた」と話す3区区間賞の尾宮。中武監督も「経験しに行くだけにはもったいない大会。県代表として自覚と責任のある走りを」と誓った。