低所得層の基準は“年収1500万円以下”。シリコンバレーにはなぜ成功者が多いのか?
最先端のテクノロジーがいち早く実装されていく街
シリコンバレーを過剰に「インフレ化」させることには違和感がありますが、一方でシリコンバレーで暮らしたり働いたりすることには魅力があり、学べることが多いのは間違いないと思っています。 シリコンバレーで暮らしていて感じるのは、とにかく刺激が多いということです。スタートアップのビジネスを成り立たせるにはさまざまな要素が必要ですが、その一つは「ユーザーがいること」。マーク・ザッカーバーグだけいればフェイスブックが成り立つわけではなく、フェイスブックを喜んで使ってくれるユーザーがいなければならないということです。 その意味では、シリコンバレーは最先端のテクノロジーが真っ先に街の中に実装されていく場所だといえます。 たとえばシリコンバレーではテスラの車を非常に多く見かけるのですが、私がロサンゼルスやワシントンD. C. 、ボストン、ニューヨークなどに行って街の中を見渡したときは、それほどテスラが多いという印象はありませんでした。 一般にはアメリカの大都市であれば、最先端のテクノロジーが活用されているイメージを持つ人も多いのではないかと思いますが、実際にはアメリカの都市がどこも最先端ということはありません。やはりシリコンバレーが独特な街なのだと思います。 テスラの例に限らず、たとえばウーバーやウーバーイーツ、個人間送金サービスのベンモなども、シリコンバレーでは普及のスピードが速いのです。最近では、友人同士で送金する際、当たり前に「ベンモでいい?」と尋ねられるようになりました。 このような環境で暮らしていると、否が応でも最先端のテクノロジーを体感することになります。 言い方を変えれば、たとえ自分自身が開発に携わっていなくても、そこで生活しているだけでそういった商品やサービスに真っ先に触れることができ、最先端のビジネスを育てていくエコシステムの大切な一員になることができるわけです。そのように考えれば、シリコンバレーの生活はかなり刺激的だといっていいでしょう。