米金融当局者、FOMC会合土壇場で金利予測更新も-CPI統計受け
(ブルームバーグ): 米金融当局者は、連邦公開市場委員会(FOMC)会合2日目の12日朝に発表される消費者物価指数(CPI)を目にするまで、最新の四半期経済予測の金利予測分布図(ドット・プロット)を完成させる準備が整わないかもしれない。
3月の前回予測公表後に発表されたインフレ統計が失望すべき数字だったことで、当局者が年内に予想する利下げ回数を減らすのはほぼ確実。だが、米東部時間12日午前8時半(日本時間同午後9時半)に発表される5月のCPIによって、減らされる利下げ回数が左右される可能性がある。
KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「会合開催期間中にインフレ統計の発表があり、それでドットが決まる」とした上で、「最終的な決定要因はインフレの数値となるだろう」と述べた。
米金融当局はインフレ率が2%の物価目標に向けて引き続き鈍化しているさらなる証拠を待っており、11、12両日のFOMC会合で7会合連続の金利据え置きを決めると広く予想されている。決定内容を盛り込んだ声明と四半期経済予測は午後2時に発表され、2時半からパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見する。
経済予測
パウエル議長は昨年12月13日、FOMC会合後の記者会見で、2日間の会合開催期間中に重要データの発表があった場合、FOMC参加者は各自の予想を「更新するよう促されている」と説明した。
議長によれば、会合2日目の「午前中の遅い時間帯」まで「更新はOK」で、12月会合のケースでは、新たなインフレデータを反映させるため「幾人かが実際に予想を更新した」という。
ブルームバーグがエコノミストを対象に実施した最新調査では、金融当局者が中央値で年内2回の利下げ見通しを示すとの回答が41%となった一方、利下げ見通しを1回もしくはゼロとするとの回答も41%に上った。
このほか、以前の引き締めサイクルに比較して景気抑制的な政策の効果が弱まったのではないかとの見方を反映し、幾人かの当局者は長期的に適切と見なす金利水準の見通しを上方修正する可能性もある。