米金融当局者、FOMC会合土壇場で金利予測更新も-CPI統計受け
調査会社LHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏は当局者について、「彼らは多少の上振れリスクを認識している」とし、「それは緩和し過ぎて経済を不注意に加速させることがないよう、非常に慎重に緩和することを意味する」と語った。
1-3月(第1四半期)のインフレ統計が予想を上回る数字だったことを反映し、当局者は最新の予測で今年のインフレ見通しを上方修正する可能性がある。また、7日に発表された5月の雇用統計で失業率が4%と、2年強ぶりの高水準に悪化したのを受け、失業率予想も上方修正するかもしれない。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏は「6月のFOMC会合は、パウエル議長が利下げスケジュールに関しこれまでで最も明確なヒントを提示する可能性があるため、今年最も重要なものの一つとなるだろう」とみる。
その上で、「3月時点のドット・プロットでは0.25ポイントずつ年内計3回の利下げ見通しだったのに対し、最新予測では利下げ2回の見通しが示される公算が大きい」とコメントした。
FOMC声明
FOMCは最新の声明で、インフレ率が持続的に2%に向かいつつあるとの確信を強めるまで、利下げは適切でないとするガイダンスを維持するとほぼ確実視されている。
前回5月1日の声明では、「ここ数カ月、委員会が目指す2%のインフレ目標に向けた一段の進展は見られていない」としていた。その後に発表された4月のインフレ統計が1-3月からの物価上昇ペースの鈍化を示すものだったことから、この表現が維持された場合、タカ派的と解釈される可能性がある。
顔触れ変更
今回の会合では、4月に就任したセントルイス連銀のムサレム総裁が初めて自身の経済予測を提出する。6月末に退任するクリーブランド連銀のメスター総裁にとっては最後の会合となる。
記者会見
パウエル議長は記者会見で、当局者による2024年の金利予測中央値に同意するかどうかや、7月ないし9月の会合で利下げが検討されるかどうかについて質問を受けると想定される。