本当は恐ろしいかもしれない“かわいいお爺ちゃん”を選んだインドネシア、その複雑な民主主義|週末に読みたい海外メディア記事6本|2024.2.10-2.16
Angga Budhiyanto/shutterstock.com
今週もお疲れ様でした。ロシアの反体制派、アレクセイ・ナワリヌイ氏が収監中の刑務所で死亡するというニュースが伝わりました。ロシア大統領選まで1カ月、プーチン政権の残忍さを見ずにはいられない衝撃的な事件です。十数回の実刑判決を受け、暗殺で命を落とす寸前まで追い込まれながらも体制批判を続けたナワリヌイ氏の死に対し、欧米メディアは深い哀悼の意を示しています。 ただ、ナワリヌイ氏については生前から、パワーを倒すためのパワーを求めて「有害なナショナリズム」に近寄ったとの指摘もあります。「思想家」であるよりも「活動家」であることを選び続けたと言うべきか(ナワリヌイ氏の政治活動は株式投資を通じて企業の腐敗を意識したことで始まります。つまり物言う株主=アクティビストが出発点です)、こうした評価の分かれる部分も含めて米「フォーリン・ポリシー(FP)」誌は足跡を丹念に辿っています(「 Alexei Navalny Wanted to Make Russia a ‘Normal Country’ 」2月16日付)。 また先日来、米保守系テレビFOXニュースの元キャスターでドナルド・トランプ氏に非常に近い人物として知られる タッカー・カールソン 氏がウラジーミル・プーチン露大統領に行った“お手盛りインタビュー”が話題ですが、ナワリヌイ氏の死はアメリカの反トランプ論にも格好の糸口を与えるでしょう。米ニューヨークタイムズ紙は、このインタビューに対する新たな批判が起きていることを伝えています(「 Tucker Carlson’s Lesson in the Perils of Giving Airtime to an Autocrat 」2月16日付)。
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