洋傘の柄はなぜ曲がっている? 英国紳士の「おしゃれ心」がルーツと有識者 和傘が真っ直ぐな理由とは
9月に入り暑かった夏もようやく終わりに近づいています。そして夏から冬に向かうこの時期は、秋雨前線などの影響で毎年雨が多くなる季節でもあります。雨が降ると必然的に使う機会が増えるのが“傘”。今回は、そんな傘を使っていて筆者がふと感じた、「なぜ柄の部分が曲がっているのか?」という疑問について調べてみました。 【画像】この人がいなければ傘の形は変わってた!? 曲がった柄のルーツと言える英国紳士の姿 ☆☆☆☆☆ 日本洋傘振興協議会認定アンブレラマスターで心斎橋みや竹の宮武和広さんによると、「所説はありますが最初に傘の柄をJ字型に曲げた大きな理由は“カッコよく見せるため”だった」だと言います。この話は傘をさす習慣が一般的でなかった1750年代頃のイギリス・ロンドンでの「ある人物」の行動と当時の英国紳士たちのファッションが大きく関係しているそう。 その人物とは、海運業などで富を多く得たと言われているジョナス・ハンウェイ。彼は、“雨の日は馬車に乗って移動するのがステータス。紳士が傘を持って歩く事は格好が悪い”と言われていたロンドンで雨の日に堂々と傘を差し続けた人物と言われています。初めのころ、傘をさした様子を見た人達は彼を嘲笑し、時には石を投げつけた事もあったそう。しかし、雨の日に必ず傘をさして歩くハンウェイの粘り強い行動によって、雨傘の便利性が注目され徐々にイギリス紳士の間でも広まっていきました。 その後、傘の習慣が広まったイギリスの紳士たちの間では“傘をステッキの様に持つ”というスタイルが人気になりました。その理由は、ステッキは当時の英国紳士たちのシンボルであるアイテム。ほとんどの紳士が持っているモノだったので、“ステッキの様に見える傘”が人気になりました。 そうして流行とともにステッキ職人が傘を作るようになり、そのまま傘職人へと変わったことでステッキと同じJ字曲がりが一般的になったのだそう。もちろん、使いやすさからJ字型が浸透していきましたが、始めはイギリスでの“かっこいい”を追い求めた結果でした。また、宮武さんによると「和傘の柄が真っすぐなのは“洋傘と和傘では上下が逆”だから」と言います。和傘は頭を上にして持ち運び、置く際には持ち手の部分が地面に接するので、曲がっていないのだそう。 ☆☆☆☆☆ 今回は、傘の持ち手について調べてみました。普段何気なく使っているモノの持ち手部分について調べてみると、傘以外にも面白い話があるかも知れませんね。 ※傘の柄が曲がっている理由には所説あります ※ラジオ関西『clip火曜日』2024年9月3日放送より
ラジオ関西