釣りだと非効率なので「投網」をして魚をゲットしようと思います。これって「密漁」になりますか?法的に大丈夫ですか?
近年のアウトドアブームやコロナ禍の影響から、釣りや素潜り、潮干狩りなど海のアウトドアを趣味にする人が増えているそうです。水辺の楽しみ方は人それぞれですが、海の生き物を狙う際、法律上取ってはいけない魚種や禁止されている漁法が存在します。今回は、魚をゲットする際の漁具、漁法の扱いや、海で取るのが禁止されている魚種について解説します。
漁具・漁法の種類
水産庁では、漁具と漁法別で8種類に分類しており、使用の許可は各都道府県によって判断が異なります。ここでいう8種類の漁具、漁法は表1の通りです。 表1
出典:水産庁ホームページ「都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法(海面のみ)」より筆者作成 上記のうち、ほとんどの県で禁止されているのは「ひき網釣」で、船舶の利用が禁止されているのは「投網」です。これら以外はほとんどの県で許可されており、集魚灯や照明、まき餌を使用しなければ原則法律に違反することはありません。 ただし許可されている漁具や漁法でも、使用できる海域は限られます。そもそも漁獲そのものが禁止されているエリアも少なくないため、釣りや投網を使いたい方は事前に各都道府県の水産担当部局へ連絡して問題ない場所か確認しましょう。 ■違反するとどうなる? 前述した漁具や漁法は「都道府県漁業調整規則」により規定されており、違反した場合は6カ月以下の懲役もしくは10万円以下の罰金に処されます。 また、指定外の漁具や漁法に関しては、原則として禁止です。例えば「水中銃」や「カニカゴ」といった類は、そもそも海で使用してはいけません。また、遊泳目的の潜水器具は問題ありませんが、ダイビングやスキューバの際に魚介類を捕獲するのは禁止です。
海で取ってはいけない魚介類
海や川の生き物には「漁業権」があり、捕獲していい種類と罰則対象になる種類が存在します。漁業権は、主に以下の3つのタイプに分けられます。 ・捕獲自体が禁止されている生き物 ・指定された期間以外捕獲が禁止されている生き物 ・指定したサイズ以下の捕獲が禁止されている生き物 漁業権がかけられている生き物は都道府県によって異なります。捕獲して持ち帰ろうとすれば「密漁」とみなされ、罰則の対象です。漁業権がかけられている生き物の代表例として、以下が挙げられます。 ・アワビ ・ナマコ ・シラスウナギ ・ハマグリ ・サザエ ・ウニ ・伊勢エビ ・ワカメ ・コンブ など ※都道府県によって指定される生き物が異なる点にご注意ください。 なお、なんらかのトラブルや偶然で上記の生き物を捕獲してしまった場合でも、すぐに海へ帰せば問題ありません。近年は防波堤や岩礁地帯での密漁が増えているため、犯行を見かけた方はお住まい地域の海上保安庁へ通報しましょう。