うちは夫婦で「月22万円」の年金生活ですが、生活に余裕がありません。ほかの年金生活者も同じなのでしょうか?
年金生活に入ると、収入が減少して生活費が足りなくなることもあるようです。夫婦で年金支給額が月22万円の場合、ほかの年金生活者と比較して金額は少ないのでしょうか。ほかの年金生活者も同じように生活に余裕がないと感じているのでしょうか。 今回は標準的な年金支給額や老後の生活費について調べてみました。生活費の不足分をまかなう方法もご紹介しますので参考にしてみてください。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
夫婦で月22万円は少ない? 標準的な年金支給額と比較
夫婦で年金を月22万円もらっていても、生活費が足りなくて、ほかの年金生活者と比較して支給額が少ないのではと考える方もいるでしょう。標準的な年金支給額については、日本年金機構のホームページを参考にできます。令和6年度の年金額の例は以下の通りです(昭和31年4月2日以後生まれの方の場合)。 ●国民年金(老齢基礎年金が満額の場合):月額6万8000円(令和5年度は月額6万6250円) ●厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):月額23万483円(令和5年度は月額22万4482円) 夫婦で年金を月22万円もらっている家庭は、標準的な年金額と比較してほぼ同じ水準であることが分かります。
月22万円で足りる? 老後の平均的な生活費と比較
夫婦の年金額として月22万円は標準的であることは分かりましたが、老後の生活費をまかなうのに十分な金額であるといえるのでしょうか。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の平均消費支出を25万959円としています。夫婦で月22万円の年金収入を得ている家庭では、毎月3万959円の不足が生じるでしょう。 しかし同調査の消費支出はあくまでも平均値で、各家庭によって必要な生活費は異なる点に注意が必要です。公益財団法人生命保険文化センターが実施した「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」では、夫婦2人で老後生活を送る上で最低限必要と考えられている日常生活費は平均23万2000円としています。最低日常生活費と比較しても夫婦で月22万円では毎月1万2000円の不足が生じます。 経済的にゆとりのある老後生活で必要と考えられる日常生活費の上乗せ額は平均14万8000円、前述の日常生活費と合計すると38万円です。上乗せ額の使途には、「旅行やレジャー」「日常生活費の充実」「趣味や教養」などが挙げられています。ゆとりのある生活をしたい場合は、夫婦で年金収入が月22万円であれば、毎月16万円の不足が生じることになります。