昨春センバツ4強中央学院が館山合宿打ち上げ「前向けって!」をキャッチフレーズにトレーニング
昨春、センバツ4強入りを果たした中央学院(千葉)が、3日から行っていた千葉・館山合宿を6日に打ち上げた。 朝8時30分。館山の海岸で、波の音とともに、投手陣の息を吐く音が響いた。走り込みから始まり、砂浜でのダッシュ、トレーニング。冬がまだ深い寒さの中でも、選手たちは汗をたっぷりかいていた。昼食をはさみ、午前中は体育館でトレーニングをしていた野手陣と交代。海岸での厳しいトレーニングは夕方まで続いた。相馬幸樹監督(45)は「今年のキャンプはボールを一切使わない。新チームは力がなかったのでトレーニングに専念させました」と、キャンプの目的と意図を口にした。昨年のチームも取り組んだ「フィジカルモンスター」へ、一から取り組んでいる。 昨秋は、県大会1回戦で千葉黎明に1-7と大敗を喫した。主将の佐藤佑人捕手(2年)は「悔しくて、苦しくて。先輩たちに申し訳なくて…。暗闇の中をもがいている感じでした」と振り返った。個々の能力では先輩たちよりも劣るのは分かっていたが、初戦敗退という形で、その現実を突きつけられた。 「だからこそ、チームがひとつになることを意識。徹底してきました」 掃除から全員で取り組み徹底した。1つ1つのトレーニングも正しい形で行い、最後まで力を抜かない。「少しずつ体も大きくなってきた。成長しているんだな、と目に見えて、うれしいです」。手探りでも確実に前進してきた。 キャンプ初日、相馬監督は、今年のキャッチフレーズに「前向けって!」を掲げた。昨年はこの時期のキツい練習も、センバツ出場が原動力になった。佐藤は「夏まで遠い。そういう時こそ前を向く。自分たちにとって、励みになる言葉です」と笑みを浮かべた。 野手の砂浜トレーニングの最後は、3人一組のリレー。設定されたタイムを切れなければ、1本ずつ増えていく。選手たちは、最後まで脱落することなくタイム内に走りきった。相馬監督は「下地ができてきた。去年よりも強くなるんじゃないかな」と、力を尽くし砂浜に倒れ込む選手たちを、頼もしく見つめた。 もう下は向かない。前だけを向いて走り続ける。「年が明け、暗闇から今は少しずつ前が見えるようになってきました。春、夏には結果が出てくると自分たちは信じている。キツいですが、目標がある。そこに向かってひたすらやるしかない」と佐藤。「前向けって!」を合言葉に、練習に励む選手たちの視線の先には、夏の甲子園が見えている。【保坂淑子】