「中学受験は必要?」夫婦ともに研究職の共働き夫婦が、過熱する中学受験に思うこと
では、キラリと光る『本物』の人はどんな経験をしているのでしょうか。共通して感じるのは、 挫折や小さな失敗を経験している人が多い。その挫折や失敗を糧に這い上がっている人が強靭な精神力や持久力を持っている気がします。 プロジェクトが失敗しても、何度も立ち上がり、反省点をあぶり出し、今後の糧にする。研究分野でも、他の分野でも、失敗は当たり前です。それを恐れないで進む。でね、そんな人たちをたーくさん見てきたので、分かっているのです。 挫折や失敗がどれだけ大切か。 でも、こと、子育てになると、どうも手を出したくなる。転ぶ前に「危ないからね」と言ってしまう。我が子達には、自分の若い時のように、浪人して欲しくないし、青春を謳歌しつつ学ぶべき知識も身に付けて欲しい。あっちが正解、こっちはちょっと……事前に、ある程度分かっているのよ! と思ってします。
もちろん、最近流行りの中学受験にも、敏感に反応してしまいます。 受験を経験し、意中の中学に受かったからって、幸せな人生が待っているわけではないですし、人生何が起こるか分かりません。でも、早いうちに中学のカリキュラムを修了させ、前倒しで高校の範囲を学べるのは大きな利点。大学受験にも大きなアドバンテージになるので、是非ともそうさせたい! と思っちゃう。 公立中学校に進んだ場合は、志望高校があっても、学力だけで進学できる訳ではない。内申点なんて先生のさじ加減。生活態度が先生から見て良く映った生徒が良い点数をもらえる……場合が多い。いや、違う! おらが町はそうじゃない! うちの中学は違うぞ! でしたらゴメンナサイですが、やっぱり『内申点の不透明な部分』にモヤモヤし、中学受験を考えるご家庭が多いのも事実。
そうです。公立中学の内申点には、小さな理不尽が散りばめられている。 うむ。そんな環境に、可愛い我が子を入れるのには抵抗が……と思っている私に、大きな『待った!』をする人間が。 ジャーン! 我が夫!! なに! やるか? まぁ、話をきこうじゃないか。 夫も私と同様、企業の研究職な上に大学受験で失敗、浪人もしています。一方で大学院を修了し、私以上にドップリ研究畑にいるので、高度な教育がいかに科学の発展につながるかも分かっています。様々な苦労もしているはずです。でも、全く違う角度で子供の教育に係わりたいようです。 中学受験、やらしてもいいかもな~と思っている私に、「どちらかと言うと反対だ。それよりも……」 子供の苦労を見守れる親になろう、と言ってきます。か~~立派か! いや、無理だわ。私には。失敗や苦労をすることが分かっているのに見守るのはキツイ。 彼は、『人生100年時代。遠回りしても、何してもよい。親がピカピカにレールを敷いても全然通用しない時代がきっと来るよ』と言ってきます。 中学受験も、本人が強く要望しない限り、親側から促すことはしない。どちらかと言うと、小学校の時にしかできない体験、大自然で遊ぶことや、近所の友達との遊びを優先させたいとのことです。 立派か!(2回目) じゃあ、もしも小学校のお友達が合わなくて、地元の中学校に進みたくないって本人が言ってきたら? 「それは受験しても良いに決まってるじゃん。あくまでも、本人が望まない親主体の受験が嫌だってこと」……あいあい、分かりましたよ。 確かに、私達の時代とは違ってきています。 努力の末、高学歴をつかみ取り、良い企業に入ったとしても、終身雇用を念頭に置いて働く人は少なくなっています。その他にも……ちょっとした所でも変化が。 昔は一生懸命、長時間かけて調べないといけなかった専門的な解説が、インターネットでサクッと調べられ…会社でしか出来ないと思っていた仕事が、在宅ワークでも可能になり……出張せずともwebミーティングがいとも簡単にできます。転職も、コネや引き抜きよりも、スマホでさっさとエージェント登録です。