インフルエンザの予防接種は"この秋"が勝負?「タイミングがかなり重要」「子どもと大人では異なる」など、気になるポイントを米医師がアンサー
2024年、連日猛暑をふるった夏も終わりに近づき、時折感じる秋の涼しさにホッとしている人も少なくないのでは? 本格的な秋冬を迎えれば、外の空気は日に日に乾燥が進み冷えこんでくる。となると、いよいよ今年もインフルエンザの予防接種をいつ受けるべきかと悩むものだ。大手薬局チェーンでは既に接種を勧めるポスターを掲示している場合も多い。 【写真】ヨーグルが最強⁈ 風邪予防の救世主「ヨーグルト」の真実 とはいえ、夏の終わりにワクチンを接種するのはちょっと早過ぎるのだろうか? アメリカの感染症専門医によると、早めに接種すること自体は可能だが、そうするとインフルエンザシーズンが終わる前に感染してしまうリスクが高まる可能性があるという。 2023年のインフルエンザ流行シーズンには、アメリカでは少なくとも3500万人が感染し、40万人が入院、25000人が死亡したとCDC(アメリカ疾病対策予防センター)は推定。予防接種を受けたからといって感染しないわけではないが、重症化する可能性は低くなるとしている。 では、“早過ぎる”とは一体どのタイミングのことをいうのか。接種するのに最適な期間はいつなのか。米専門医たちに聞いてみた。
インフルエンザの流行シーズンはいつからいつまで?
公式に流行シーズンと定められた期間はないが、通常10月から増加し始めるとCDCは述べる。流行のピークは例年12月~2月で、春までには勢いが衰える。だが、その年によって期間が長い場合もあり、過去には5月まで流行が収まらなかったケースもあるという。
今、接種するのは早過ぎる?
この点に関しては、医師たちの意見は一致している。「今、接種を受けるのは早いでしょう。シーズン中に予防効果が薄れてしまう点が懸念されます」とウィリアム・シャフナー医師(感染症専門医&ヴァンダービルト大学医学部教授)。「もう少し待ったほうがいいですね」。 感染症専門家のエイメッシュ・A・アダリャ医師(ジョンズ・ホプキンス・センター・フォー・ヘルスセキュリティー上席研究員)も同意見だ。「インフルエンザシーズンは春の半ばまで続く可能性があるため、その点を考慮すると早すぎる接種はおすすめできない」と指摘する。 ただし、今、接種を受けることでメリットがある人もいるという。それは、今まで一度もインフルエンザのワクチンを接種したことがない8歳以下の子どもたち。シャフナー医師は「彼らに限っては、早めに打つことのメリットもあります。1回目と2回目とで間隔をあけて、計2回接種することが必要です」と説明。