英国の名優マギー・スミスさんが８９歳で死去した

（ＣＮＮ）　「オセロ」の舞台や映画版でローレンス・オリビエさんと共演し、映画「ハリー・ポッター」シリーズやテレビドラマ「ダウントン・アビー」にも出演した英国の名優、マギー・スミスさんが死去した。８９歳だった。広報担当者が公表した声明で息子らが明らかにした。 【画像】「ダウントン・アビー」で先代グランサム伯爵未亡人を演じたマギー・スミスさん 声明では「大きな悲しみとともにデイム・マギー・スミスの死を発表する。９月２７日の早朝、病院で安らかに息を引き取った。プライバシーを極めて重視する彼女は、友人や家族に付き添われて最期を迎えた」と説明。残された息子２人と孫５人は、傑出した母であり祖母でもあったスミスさんの死に打ちひしがれているという。 スミスさんは１９３４年、当時ロンドン東郊の中産階級地区だったイルフォードに生まれた。一家は第２次世界大戦の開戦直前、オックスフォードに移住。スミスさんの父親は病理学者としてオックスフォード大学で働いた。 高校卒業後、５１年から５３年にかけて演劇学校に通い、オックスフォード大学演劇協会の手掛けたシェイクスピアの「十二夜」で舞台デビューを果たした。 ６４年にはローレンス・オリビエさん主演の「オセロ」でデズデモーナ役を演じ、翌年の映画版でもこの役を再演した。６９年には、映画「ミス・ブロディの青春」で演じた型破りな学校教師の役が評価され、米アカデミー主演女優賞を初めて獲得した。 ７８年には、映画「カリフォルニア・スイート」での演技が評価され米アカデミー助演女優賞を獲得。８５年の映画「眺めのいい部屋」などの役で英アカデミー賞も受賞した。 ９０年には大英帝国勲章「デイムコマンダー」を受章し、その後は「デイム・マギー・スミス」との呼び名が定着した。 近年では２００１年の映画「ハリー・ポッターと賢者の石」や続編で、厳格だが公平な魔法学校のマクゴナガル先生の役を演じ、若い視聴者の注目を集めていた。