ひと冬風邪知らず!粘膜のバリア機能を上げる意外な栄養素とは【管理栄養士が解説】
風邪やインフルエンザが流行する季節です。ウイルスが体内に侵入しないよう、普段から全身のバリア機能を高めておきましょう。このバリアの機能を担うのが「粘膜」です。今回は、粘膜を強くする栄養素と食事について解説します。(管理栄養士 岡田明子) ● 唾液には殺菌成分も含まれている 目、鼻・喉、口など、顔のさまざまなところから入り込もうとしている病原体を跳ね返し、全身を守ってくれているのが「粘膜」です。パーツごとにみていきましょう。 体の表面に露出している眼球の粘膜は、表面は涙でおおわれていて乾燥を防いでいます。涙には「リゾチーム」という殺菌成分も含まれていて、病原体を攻撃する作用もあります。 口の粘膜からは唾液が分泌されます。唾液は食べ物を消化しやすくするだけではなく、殺菌成分も含まれています。こちらも同様に病原体を退治してくれます。 鼻や喉の表面には、細かい繊毛が生えていて、空気中から侵入しようとする病原体を外へと送り出しています。また、鼻や喉の内側の粘液にはウイルスなどを包み込み、鼻水や痰として対外に押し出す働きもあります。 これらの粘膜を強くする栄養素には、どのようなものがあるのでしょうか。 全身の皮膚や粘膜を健康に保つために必要な栄養素は、ビタミンA(β-カロテン)です。病原体をブロックスする機能を高め、免疫力の維持には欠かせない栄養素です。 ビタミンAは、皮膚や粘膜を構成する上皮細胞の形成や働きに関わっており、各組織の成長や機能の維持、免疫作用など全身の生理作用を支えています。ビタミンAには、動物性食品に多く含まれるレチノールと、植物性食品に多く含まれるβ-カロテンがあり、レチノールはそのままビタミンAとして働き、β-カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。 【ビタミンAが多く含まれる食品】 ウナギ、豚レバー、鶏レバー、牛レバー、ニンジン、モロヘイヤ、かぼちゃ、ほうれん草、春菊、小松菜、大根の葉など 【料理例・コンビニ活用例】 ウナギ丼、かぼちゃサラダ、レバニラ炒め、ほうれん草のゴマ和え、小松菜のお浸し ビタミンAは脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂取することで吸収がよくなります。調理の際には油で炒めたり、できた料理にオリーブオイルをかけたりするとよいでしょう。