【特集】「どうやったら犯人を殺せるか…それが夢でした」妹を殺害された社長の壮烈半生 辿り着いたのは“犯罪者の更生支援”という生き方 何度裏切られても「俺は絶対離さへん」
2005年、米・ロサンゼルスで映画脚本家になるという夢を追っていた日本人女性が、アメリカ人の夫に殺害されるという凄惨な事件が起きました。その女性の兄・草刈健太郎さんは犯人を憎み、「相手を殺すのが夢」「犯罪者なんかみんな死んだらいい」とさえ思っていたといいます。しかし今、そんな彼が熱心に取り組んでいるのは、『職親(しょくしん)プロジェクト』と呼ばれる元犯罪者の更生支援。被害者家族でもある彼が、なぜ罪を犯した人に手を差し伸べ、やり直すチャンスを作っているのか―?その歩みを追いました。 【動画で見る】殺害された妹を胸に…「一回裏切られるのはもう当たり前」元犯罪者の更生支援を続ける社長 被害者を生まない社会へ「ほったらかしにして、無関心が一番あかんと思う」
妹を殺害された男性が手を差し伸べるのは、元犯罪者の少年たち 「実は最初、嫌でした。犯罪者なんか、みんな死んだらいいのにと…」
ホームセンターで買い物をしているのは、建設業などを営む会社社長・草刈健太郎さん(50)と、少年院を出所したばかりの少年。少年の衣料品や日用品・仕事に使う道具など、次々とカートに入れていきます。 (カンサイ建装工業・社長 草刈健太郎さん) 「ワクワクやな。やっと仕事に出られるやん」 支払いは、草刈さんのポケットマネー。少年院から出所したお祝いです。
元犯罪者に“やり直すチャンス”を作っている草刈さん。実は、19年前に妹を殺された被害者家族でもあります。 (草刈さん) 「実を言うと、初めは嫌でした。犯罪者なんか、みんな死んだらいいのにと思っていました」 そんな彼がなぜ、罪を犯した人たちに、手の差し伸べ続けるのでしょうか―。
この日、大阪・阪南市にある少年院で草刈さんが話したのは、『職親プロジェクト』についてです。300を超える企業が少年院や刑務所を出た元犯罪者に職を提供し、更生支援を行う取り組みで、草刈さんは立ち上げから関わっています。 (草刈さん) 「“職の親”と書いて、仕事を皆さんに与えて、まぁ“親”になって皆さんの更生をしながら、会社の役に立ってもらおうと」
草刈さんは、少年たちが語る夢を否定することはありません。 (草刈さん) 「何になりたい?夢、何かあるの?」 (少年) 「一応、動物園の飼育員」 (草刈さん) 「へー!すごいやんか」 (少年) 「そういう企業さんって、職親プロジェクトにあるのかなって」 (草刈さん) 「今はないけど、俺、知り合いでおるで。そのためには、勉強せなあかんかもわからへんしね。大卒しか採らないようなら、大学行かなあかんやろうし。一回、自分で調べたら?先生にも聞いて。頑張りや。な?」
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