【特集】「どうやったら犯人を殺せるか…それが夢でした」妹を殺害された社長の壮烈半生 辿り着いたのは“犯罪者の更生支援”という生き方 何度裏切られても「俺は絶対離さへん」
大麻に手をつけた少年に差し伸べた手「どんな道行こうが、俺は絶対離さへん」
「基礎知識が増えれば関わる人も変わり、悪さをする仲間から離れられるかもしれない」と、少年院で『公文式』を導入しました。半年間ほぼ毎日学習することで、社会へ出た時に必要な知識や忍耐力を身に付けてもらうことが狙いです。
(草刈さん) 「大学までいけるんちゃうか、このままのペースでやっていったら。できたら頑張って。悪いことせんと、な」 1000枚以上のプリントを解いたことで、自信をつけた少年もいます。
(草刈さん) 「今から社会人になったら、“山あり谷あり”ある。でも、その中で、“山”から下りないでほしい。せっかく、ここまで登ったんやから。休憩しても、ええやんか。でも、山の上に登ったときの頂きを見たらええねん、いつか。一瞬で人間って変わるんやから」
新たに少年を雇うため、兵庫・加古川市の少年院を訪れた草刈さん。防水工事の仕事をした経験がある19歳の青年・セイヤさん(仮名)と面接しました。
(草刈さん) 「何やったんやっけ?」 (セイヤさん) 「少年院に来た理由は、大麻。でも、やめる気はあります」 セイヤさんは、公文式を受ける中で、草刈さんと知り合いました。
(草刈さん) 「以前、うちの現場の仕事、やってくれてたんや。頼むわ。今度はチームで、ファミリーで」 (セイヤさん) 「はい、よろしくお願いします」 (草刈さん) 「もし悪い道に行っても、こうやって知り合ったら、俺は絶対に離さへんで、悪いけど。どんな道行こうが、俺は絶対離さへん」 (セイヤさん) 「よろしくお願いします」 (草刈さん) 「頑張ってください。一緒に頑張りましょう。よろしく、ありがとう!」
握手を求めた草刈さんに、セイヤさんは応えます。 (草刈さん) 「頑張ってください。ラストチャンスやで」 (セイヤさん) 「はい、頑張ります!」
働き始めて3日後に起きた、まさかの事態…「ほったらかしにして、一人ぼっちにして、無関心が一番あかん」
数日後、会社の寮で、セイヤさんの歓迎会が開かれました。 (セイヤさん) 「草刈さんは、熱いというか人情があるというか。あまり今まで良い大人に出会えたことがなかったので。今は草刈さんとか親とか公文の人とか、支えてくれて応援してくれている人がいるし、それを裏切りたくないという気持ちが強いです」
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