【特集】「どうやったら犯人を殺せるか…それが夢でした」妹を殺害された社長の壮烈半生 辿り着いたのは“犯罪者の更生支援”という生き方 何度裏切られても「俺は絶対離さへん」
3日ぐらいで辞めるかな…そう思いながらも受け入れた少年が、今では“会社の宝”に「刑務所の中で面接してもらった日のことは、一生忘れません」
かつてはギャンブル漬けの生活で、金がなくなると盗みを繰り返していた飯尾康章さん(36)。窃盗罪で2年7か月服役し、出所後、草刈さんの下で塗装職人として働き始めました。 (草刈さん) 「めちゃくちゃキレイに塗れてる」 ギャンブル依存症を克服し、一級塗装技能士の資格も取りました。
(草刈さん) 「ずっと黙々と仕事をやってもらっているので、ほんまにありがたいです。うちの会社の宝です。初めは、『多分3日ぐらいで辞めるかな』と思っていました(笑)」 草刈さんが更生支援に関わり始めて、11年。これまでに30人以上の元犯罪者を雇用してきました。
この日は、飯尾さんを『職親プロジェクト』の活動に誘い、宮城・仙台市にある少年院へ。 (草刈さん) 「彼は、ギャンブル依存症を脱却して、自分の努力で克服したので、そんな気持ちを今日喋ってもらえたらな、と」 (塗装職人・飯尾康章さん) 「こういう縁もあるし、恩を返したいと思うんです」 (草刈さん) 「十分、返してもらってるよ」
犯罪白書によると、再び罪を犯した人の割合は47.9パーセント。また、再犯で服役した人の約7割が、無職です。
飯尾さんは、少年たちに参考にしてほしいと、仕事の大切さを語り始めました。 (飯尾さん) 「なぜ仕事を辞めずにやってこられたかといいますと、はっきり言って苦労もあったけど、楽しかったからです。塗装の仕事は、平らな所をローラーで均等に塗ること。そして、細かい所をパケで丁寧に塗ることが大事です。私は、その塗った後の仕上がりを見て、きれいに塗れているか、どこかダメな所はないか、確認します。そして、きれいに塗れている時に、達成感があります」
(飯尾さん) 「みんな楽しい人ばかりで、私を心から支えてくれました。番頭さんや周りの職人さんが、いつも気にかけてくれるのが嬉しかったです。このような素晴らしい成長する場を与えてくれた草刈社長に、感謝しています。刑務所の中で面接してもらった日のことは、一生忘れません」
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