ボルボ EX30が持つプレミアムの新たな基準とは。北欧を中心に広まる価値観が日本上陸【試乗】
広まりはじめた「プレミアム」の新たな価値とは
ボルボ・カー・ジャパンが2023年11月22日に発売したコンパクトSUVタイプの新型EV「EX30」は、2020年まで販売されていたコンパクトハッチバックV40に近いボディサイズとして登場し、その代替え車両としても期待されているモデルである。そんなEX30は従来からのボルボらしさに加えて、新たな価値も持つという。 【写真】なるほど! ボルボ EX30のサスティナブルな細部を見る あなたがクルマに期待する価値や性能はなんだろうか。デザインの良さ? 乗員の安全性? ランニングコストパフォーマンス? ブランド力? 耐久性? クルマの購入にあたって基準にする項目は人それぞれ数え切れないほどあり、また優先順位をつけながらどのモデルが最も自分に合っているか検討していくという人も多いはずだ。 近年、こうしたクルマに対する価値観のひとつとして挙げられることが増えてきたのが「サスティナビリティ」なのだという。とくに50年、60年先の地球環境を憂う若者は、クルマの環境性能の高さを気にして検討する傾向にあるといわれている。 ひと言で環境性能と言ってもジャンルはいくつかあるが、パワートレーンに目を向けてみると現段階ではハイブリッド車やEV、バイオフューエル車、燃料電池車など環境性能を高める技術はさまざま研究開発されている。ただ、将来においてどれが最適解なのか結論はまだ出ていない・・・いや、最適解はユーザーや事業者によって異なるのかもしれない。 そうした中で次世代エネルギー全般を網羅する自動車メーカーもあれば、ひとつに絞り込んで独自の方針を打ち出すブランドもある。 サスティナビリティという意味でパワートレーンによるCO2排出量の削減が注目されがちだが、「リサイクル」も忘れてはならない項目だ。リサイクルによって生まれた製品に対して良い印象を持たない人もいるかもしれないが、欧州を中心に「リサイクル品=所有すべき理由があるプレミアムなもの」という価値観が浸透しはじめていると言われている。 実際リサイクル品を製造するにあたっては、再利用できる素材を回収し保管、選別、洗浄そして成形という長い工程を経るため、原油からプラスチック製品を作るよりコストも時間もかかっているのだから、当然と言えば当然だろう。鉄鋼材においても同様だ。