【速報全文】天皇陛下カメラの前でイギリス訪問の感想語る 「思い出の地に雅子と2人で立つことができたのは大変幸せなこと」
天皇陛下は、現地時間27日午後、故・エリザベス女王のお墓参りをした後、王立キュー植物園を訪問されました。その後、カメラの前で報道陣の取材に応じられました。天皇陛下のコメント全文は以下の通りです。 ********* 記者)先ほどイギリスでの公式日程が終わりました。久しぶりのイギリスのご滞在はいかがでしたでしょうか? 陛下)このたび、イギリス政府からご招待をいただき、雅子とともにイギリスを国賓として訪問することができましたことを大変嬉しく思っております。 チャールズ国王陛下、そしてカミラ王妃陛下には、歓迎式典、また馬車によるパレード、そしてバッキンガム宮殿における午餐会、夕食会を催していただき、大変心温まるひと時を過ごさせていただいたことを大変ありがたく思っております。 またそのほか、ロンドンのロードメイヤー、また、シティ・オブ・ロンドンの主催による晩餐会にお招きいただいたり、それから日英友好団体主催のレセプションにお招きいただき、本当に多くの方々から大変温かい言葉をかけていただき、非常におもてなしをいただいたことを大変嬉しく思っております。 また、今回は、馬車でのパレードの時もそうでしたし、また車で走っている時にも、沿道から多くの方に手を振っていただいたりして、非常に温かく迎えていただいていることを大変嬉しく思っております。 ここのキュー・ガーデンは、23年ぶりの訪問ということになりますけれども、今日いろいろと見せていただいて、ミレニアム・シード・バンクの取り組みが進んできて、それが生物多様性の保全に貢献しているということを伺って、大変嬉しく思いましたし、またいろいろ貴重な植物を見せていただいたことも大変嬉しく思っています。 また、視察先としては今回、フランシス・クリック研究所にも訪れましたけれども、そこでは本当に最先端のがんの治療ですとか、それからインフルエンザの対策ですとか、そういった最先端の研究が、今回、日本の研究者など、日英の研究者両方で進められていて、非常に最先端の技術というものも感じましたし、イギリスは本当に古いものを大切にしながら、そしてまた一方で、非常に新しいものも生み出している、そういうところもまた、非常に興味深く思いました。 またあわせて、そのようにイギリスが世界に門戸を開いて、多くの研究者を招いて、そして研究が進められているということも知り、大変これも嬉しいことだと思いました。 その他のこととしましては、テムズバリア。私は留学の時、テムズの研究を、「18世紀のテムズ川の水運」を研究していましたけれども、私がいた頃、ほぼ同じ頃に出来上がったテムズバリアを今回見ることができたことはとても良かったと思います。 やはり地球温暖化の問題などもあって、高潮の問題なども、今後ますますいろいろ出てくると思いますけれども、その対策として、このテムズバリアの果たす役割というものも非常に大きいものがあると思いますし、私も個人的に水問題とか水災害に関する取り組みをしているので、今回のテムズバリアの視察というものは、大変いろんな面で参考になったように思います。 記者)とてもお天気が続いてまして、お天気と夏を連れてきてくれたんじゃないかということをいろいろなところで耳にしたんですけども、お天気についてはいかがでしょうか? 陛下)どこかで雨に降られるというふうに思っていたのですけれど。また留学中にもイギリスの天気は非常に変わりやすいというふうに印象を持っていましたので、どこかでは雨にも遭うかなと思っていましたけれども、今回本当に毎日いい天気に恵まれて、これもありがたいと思っていますし、また特に、日が差している関係もあるのか、いろいろ花とか木とかそういったもの、それから草原なども非常に綺麗でそういったことも思い出作りになったのではないかなと思っています。 記者)エリザベス女王とフィリップ殿下のお墓にお参りをなさったと思いますが、どんなお気持ちでお墓に向かわれましたでしょうか? 陛下)本来であれば4年前にエリザベス女王陛下からのご招待でもって、イギリスに来る予定になっていましたけれども、新型コロナウイルス感染症の拡大の関係でもって、その時は伺えないことになってしまったことを、これは本当に残念に思っております。 エリザベス女王陛下には、来日された時にも、私はまだ小さかったですけれどもお会いしましたし、特に留学している間はバッキンガム宮殿にお茶に呼んでいただいたり、それからスコットランドのバルモラル城にご招待いただいたり、あるいはガーデンパーティーにご招待いただいたり、その都度、本当にいつもよくしていただいたこと、これはエディンバラ公もそうでしたけども、大変心から感謝しておりますし、今回はエリザベス女王陛下、エディンバラ公フィリップ殿下に、今までのいろいろお世話になったこと、本当によくしていただいたことに対する心からのお礼の気持ちで今日は参拝をさせていただきました。 記者)チャールズ国王の横でスピーチをされた時に「ドクター・フー」の話で会場を沸かせていましたけれど、あの荘厳な空気の中でどういう気持ちでスピーチされたんですか? 陛下)皆さん、笑っていただいたのは嬉しかったですね(笑) 記者)陛下でも緊張されることもあるのかなと思ったのですが。 陛下)しかし何か今回も感じましたけれども、非常に温かい雰囲気の中で晩餐会、バッキンガム宮殿もそうでしたし、それからギルドホールもそうでしたし、非常に温かい雰囲気の中でスピーチをすることができて、何か比較的リラックスしながらお話をすることができましたし、皆さんがこちらの方をよく聞いてくださっているということがわかって、これは大変話している私としても嬉しく思いました。 チャールズ国王陛下も本当に心温まる素晴らしいスピーチをしていただいて、このことに対しても心から感謝しております。 記者)「おかえりなさい」と(国王が)おっしゃられたことについては、いかがでしたか? 陛下)今回まずロンドンに来まして、歴史あるロンドンの建物の荘重な佇まい、それからまたテムズ川、そういったものを眺めながら、やっぱり何か「思い出の地に戻ってきた」という印象を強く持ちましたし、そのような中で「おかえりなさい」というふうに言っていただいた、“Welcome back”ということを多くの方から言っていただいたこと、本当に私は嬉しかったですし、その思い出の地に、今回、雅子にとってもこのイギリスは思い出の地ですので、2人でもって立つことができた。これは本当に大変幸せなことだというふうに思っております。 王室の方について言えば、今回はウィリアム皇太子殿下、エディンバラ公ご夫妻、グロスター公ご夫妻、ケント公、そういった私が以前から存じ上げていた皆さんと、この機会に旧交を温めることができたことを大変嬉しく思っております。 いずれにしても、イギリスで本当に多くの方々から温かく迎えていただいたことを大変嬉しく思っておりますし、今回の私達2人の国賓としての訪問が、今後の日本・イギリス両国の友好親善に貢献することを心から願っております。