「独立」「編入」「拡散」…… 世界を揺るがせた2014年重大ニュース
《第5位》香港「雨傘革命」
9月28日、香港の金融街「セントラル」を約8万人のデモ隊が占拠しました。8月に中国の全国人民代表大会が、2017年に行われる香港行政長官の選挙から、体制に批判的な候補を事実上排除することを決定しており、抗議運動はこの撤回を求めるものでした。 1997年に英国から中国に返還された香港では、大陸と異なり、報道の自由などが認められる「一国二制度」のもとにあります。しかし、中国に対する香港の経済的依存が大きくなったことや中国式の愛国教育への反発などから、特に若者の間には「香港人」としての自覚が広がりました。これを背景に、より実質的な選挙を求め、大学生を中心に抗議運動は拡大していったのです。 これに対して、中国政府は催涙剤入りの放水などで排除に着手。デモ参加者がこれに雨傘で対抗したため、この抗議運動は「雨傘革命」と呼ばれました。しかし、長引く抗議運動に香港企業の間からも批判が高まるなか、12月11日にはデモ隊の最大拠点が強制撤去されました。雨傘革命は、中国社会に広がる歪みとともに、民主化を抑え込む中国政府の意思を、改めて浮き彫りにしたといえます。