韓国最大野党「共に民主党」の支持率低下36%、弾劾案の連発に批判高まる…韓国ギャラップ調査
与党「国民の力」は上昇し34%
【ソウル=依田和彩】韓国ギャラップが10日発表した世論調査(7~9日実施)で、左派系最大野党「共に民主党」の支持率が前回(12月17~19日実施)比12ポイント減の36%となり、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の戒厳令宣布以前の水準に戻った。自党が過半数を占める国会で「数の力」を利用して高官への弾劾(だんがい)訴追案を再三提出するなど、強引な対応への批判の高まりが背景にあるようだ。 【写真】尹錫悦大統領への弾劾に反対する支持者ら((9日、韓国・ソウルで)
世論調査の結果によると、保守系与党「国民の力」の支持率は前回比10ポイント増の34%だった。前回は両党の支持率の差は24ポイントあったが、わずか2ポイントに縮まった。
韓国ギャラップは、尹氏の職務停止後に権限代行を務めた韓悳洙(ハンドクス)首相の訴追案可決をはじめとする国会での攻防が与野党間の対立を一層激しくさせ、「与党支持者の政権交代への危機感が高まった一方、共に民主党に対する中道、進歩層の期待が薄れた」と分析した。
「コリア・リサーチ」などが9日に公表した別の世論調査(1月6~8日実施)でも、与野党の支持率の差は前回調査(12月16~18日実施)の13ポイントから4ポイントに縮まった。
野党は戒厳令宣布後、高官に対する弾劾訴追案を7件提出した。尹氏の大統領権限を代行する崔相穆(チェサンモク)副首相兼企画財政相についても、尹氏の逮捕に向けた協力を大統領警護庁に要請しなかったことなどを理由に弾劾案提出を検討してきた。
ただ、支持率低下を背景に党内からは慎重論も出始めている。同党の李在明(イジェミョン)代表に近い議員は、10日の韓国SBSラジオの番組で「(大統領)権限代行に対する弾劾案提出といった行き過ぎは自制し、国民の声をよく聞いて(問題を)管理することも必要だ」と党執行部に苦言を呈した。