1日20万本「うなぎパイ」が作られる圧巻の光景。生地は手作り!「うなぎパイ職人」の技術を継承する制度も
うなぎの名産地として知られる、静岡県浜松市。そんな浜松を代表する銘菓が「うなぎパイ」だ。 【写真18枚を見る】生地をつくり、窯で焼き上げてから、秘伝のたれを塗る…。工場内部で「うなぎパイ」ができる様子。 口に入れるとサクサクとしたパイ生地の食感が広がり、生地に折り込まれた粒の大きなグラニュー糖が、歯ごたえとともにおいしさを引き立ててくれる。 このうなぎパイの生地は、機械で作られていると思いきや、なんと手作り。ほかにも、たくさんのこだわりが詰まっている。工場見学から、知られざる生産現場の裏側に迫った。 ■年間で最大70万人以上が訪れる
浜松西ICから車を走らせ、15分ほど。「うなぎパイ」と大きなロゴが入った工場が見えてきた。うなぎパイを製造する「うなぎパイファクトリー」だ。老舗菓子メーカーの春華堂が2005年にファクトリーをオープンし、年間で最大70万人以上が訪れる。 ちなみに、今でこそ人気スポットになったが、ファクトリー設立当初は「今さら工場見学なんて……」と否定的な声も社内外から上がっていたそうだ。現社長の山崎貴裕さんが「テーマパークのように家族で楽しめる施設の必要性」を説き、ファクトリーのオープンへと踏み切った経緯がある。
そんなうなぎパイファクトリー内にある工場(大久保工場)では、4種類の製品を生産しており、定時生産で1日約20万本、多い時で約27万本ものうなぎパイが生産されている。 早速ファクトリーの1階部分へと足を踏み入れた。 【写真18枚を見る】生地をつくり、窯で焼き上げてから、秘伝のたれを塗る…。工場内部で「うなぎパイ」ができる様子。 ここではガラス越しに、うなぎパイが12mある窯で焼き上げられていく様子や、秘伝のたれが塗られていく工程などを見ることができる。
機械が一定のリズムでテンポよくたれを塗っていく姿には、思わず応援したくなるような健気さを感じる。たれを塗る機械は、工場設立当時の工場長が設計したもの。改良は重ねているものの、液量やスピード感は昔から変わっていないという。 たれを塗ったあとは、従業員が形状不良や焼き色、異物混入がないかなど1つひとつ検品していく。この検品作業エリアはガラスにいちばん近いため、じっくり眺めている見学者も多い。検品作業者はローテーションで交代している。中には見られるのを少し恥ずかしく感じる人もいるそうだ。