1日20万本「うなぎパイ」が作られる圧巻の光景。生地は手作り!「うなぎパイ職人」の技術を継承する制度も
ただ、中には正式に提案するほどでは……とためらう人も多い。そこに着目した間宮さんは2023年からプチミーティングを導入。月に1度10~15分、仕事での気づきやたわいのない会話をする。 このミーティングの中に出てくる意見にも重要な改善のチャンスが潜んでいる。こうした密なコミュニケーションが影響してか、退職率の低下にもつながった。 「部活動としてeスポーツを行ったり、うなぎパイ職人の砂糖ぴったり計量チャレンジを行ってみたり、業務の中に遊びを取り入れつつ、コミュニケーションのきっかけにもなればと思っています」(間宮さん)
■食をテーマにした施設を数々展開 春華堂では、うなぎパイファクトリーのほかにも、スイーツバンクやnicoeなど、「食」をテーマにした施設を運営している。2024年11月8日には、東京都渋谷区の東急プラザ原宿「ハラカド」に、クリエイティブレストラン「HOW‘z」をオープンした。 全国の生産者に会いに行き、厳選した素材と老舗菓子屋として培ってきた職人の手技が光るオリジナルのお土産菓子や、クリエイターとコラボした食器類などの限定グッズも楽しめるそうだ。
今後の課題は、うなぎパイ以外の柱となる商品を育てていくことと、海外からの工場見学や各施設に足を運んでもらう機会を増やすこと。実現すればきっと、さらなるうなぎのぼりの飛躍にもつながりそうだ。 【そのほかの写真を見る】生地をつくり、窯で焼き上げてから、秘伝のたれを塗る…。工場内部で「うなぎパイ」ができる様子。
丹羽 桃子 :工場見学マニア・ライター