「ダブルパンクだ! だがスペアがない……」フォードの“新進気鋭”セスクにチリの洗礼/WRC デイ1コメント
9月27日(金)、2024年WRC世界ラリー選手権の第11戦『ラリー・チリ・ビオビオ』のデイ1はスペシャルステージ1から6の走行が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。デイ1を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。 【写真】WRCチリ3連勝を目指すオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が開幕日をリード ■Mスポーツ・フォードWRT ●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ1総合8番手 「初めてチリにいることが大きな挑戦であることは間違いない。ステージはかなり狭いよ。ショートカットによって、崩れた石がたくさん出ている。ステージについての知識があるのは、いつだって良いことだろうね」(SS3) 「オルタネーターに問題があるから、もうすこし時間が必要だ。ファンを戻すときに、パイプを損傷してしまったんだ。今はパイプを修理しなければならない」(SS5) 「午後の間、僕はつねにベストを尽くした。ただ、ステージの合間やロードセクションでマシンの作業を行っている。これから長いロードセクションがあるので、急がなければならないようだ」(SS6) ●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ1総合5番手 「理想的なフィーリングではなかった。力を発揮しようとしていたが、コーナーをタイトに曲がるためにワイドになると、すぐにキャンバーが狂う。左カーブでひやっとすることがあったけれど、大丈夫だった。最後にはかなり荒れていて、グリップが安定していなかった」(SS3) 「あまり良くない。1回目の走行の経験にもとづいて2回目の走行スピードを出そうとするのは、本当に難しい。グリップが大きく変わり、マシンをライン上に維持するのが本当に難しかったし、ステージタイムも良くなかった」(SS4) 「走行するのがとても楽しかった。マシンの調子も非常に良かったし、とても良い一日だった。(右後輪のパンクは)残念だが、大丈夫だ。最後から4kmほどのところで、ウォールか石にぶつかったんだ」(SS6) ●マルティン・セスク(#22 フォード・プーマ・ラリー1)/デイリタイア 「初めてのラリーなので、かなり落ち着いて進んだ。状況がどうなっているかのか把握しなければならない。路面は独特で、小さな石があって緩くなっている感じだ。ここから続けていくよ」(SS2) 「僕はルーズな砂利に足を取られて、土手にぶつかった。ダブルパンクだ! だが、2本目のスペアタイヤがない……。大問題だ」(SS3) ※いずれもSS走行直後の公式インタビューより ■ヒョンデ・シェル・モービスWRT ●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ1総合6番手 「出走順が1番だったことで全体的にさらに難しい一日になったのはたしかだが、セットアップは間違っていたのだと思う。そうでなければ、どうしてあんなに苦戦したのか説明できない」 「フィーリングは良くなかったし、今日は楽しくなかった。しかし、トップとの差はわずか30秒、4番手と5番手との差は20秒なので、明日の目標はそうしたポジションを追うことでなければならない。パフォーマンスと速度がもう少し向上すれば、それも可能になるはずだと心から信じている」 「とくに、ダンパーを別のセットに交換するつもりだ。そうするとトラクションは増すが、精度と反応性は低下するだろう。でも、今日は明らかにトラクションがないためにひどく苦戦した」 ●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ1総合2番手 「自分がラリーをリードしていることに本当に驚いている。今朝は僕たち3人とも苦戦していたんだ。本当にきつくて、走行中になんのフィーリングも得られなかった」 「午後もかなり難しかったが、グリップとマシンは両方改善した。今の時点で感じるべきフィーリングがないけれど、最大限に活用している」 「僕たちは各ステージの後にマシンを調整して、より良い方向性を見つけようとしてきたが、非常に優れたマシンバランスが絶対に必要だ。明日は路面の特性がまったく異なるが、グリップはさらに高くなり、出走順もはるかに有利になるので、より良い一日になるはずだ」 ●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ1総合7番手 「今日、自信を見つけるのはかなり難しかった。誰もがグリップやコンディションの厳しさについて不満を言っていると思うけれど、僕にとっても同じだ」 「僕たちのセットアップはこのような道路に最適ではないとも感じた。それでも2回目の走行では改善が見られ、より良く機能していた。全体的に午前中はトリッキーで、プッシュする自信がなかった」 「それにミスも避けたかった。結局のところ、僕たちのペースはそれほど悪くなかったと思う。タイヤの剥離がなければ、トップから20秒ほどの遅れだっただろう。まだラリーは長いから、何ができるか見ていこう」 ■TOYOTA GAZOO Racing WRT ●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合9番手 「もっとうまくできたはずの一日だった。今回も自分達に速さはあったのだが、午前中3本目のステージでの1回のミスにより、最高のリザルトを残すという今週末の目標が台無しになってしまったように思う」 「あれは自分のペースノートのミスによるものだった。考えていたよりもコーナーがタイトで、アウト側の土手にヒットしてリヤタイヤがパンクしてしまった。ただそれを除けば、この素晴らしい道を走ることは楽しかったので、午後は走りを楽しもうと試みたよ。明日は出走順が早い自分たちにとっては非常に厳しい一日になるかもしれないが、いつも通り戦い続けたい」 ●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合首位 「最初のステージがキャンセルされたことで、午前中の走行時間は短くなったが、クルマの調子はおおむね良好だった。道は幅が狭く、傾斜がついていてかなり高速だったが、同時にテクニカルな部分もあり、アップダウンやうねりも多くあった」 「運転自体は楽しかったが、グリップレベルがかなり低かったので簡単ではなかった。午後は自分たちにとって難しさが増したようにも思う」 「最初の2本のステージではベストなフィーリングが得られなかったのだが、一日の最後の長いステージでは好転することができた。いいポジションにつけているし、明日に向けて改善できると思う」 ●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合3番手 「このような道であまり良いフィーリングを得られなかったことを考えると、それほどタイムを失うことなく一日を終えることができたのは良かった」 「路面のベース部分は本当に硬いので、走行ラインとグリップを少し得られる場所もあったが、一定ではなかったので、それに合わせてドライビングを少し変えなければならなかった。今夜はトップと10秒差につけることができたので、悪くないと思う」 「まだ戦いは続いているので、明日はより良い走りができるように頑張りたい。ステージの特徴が少し変わり、新たにタイヤのマネージメントが大きな課題になると思うが、より良いフィーリングを得られるのではないかと期待しているよ」 ●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合4番手 「自分たちにとっては、とても素晴らしくクリーンな戦いができた一日だった。ステージは走りやすかったのだが、コンディションはかなりトリッキーだった」 「グリップレベルや道路の幅がかなり頻繁に変化して、走りのリズムを完璧に保つのは容易ではなかったんだ。とくに、経験の浅い自分にとっては適切なスピードを見極めるのは簡単ではない」 「それでも冷静さを保ち、あまり攻めすぎないように心がけ、安定したスピードを発揮し確実な仕事ができたと思う。トップに近い位置につけることができたので、本当に良かった。まだまだ改善できる部分は多くあると思うが、明日も同じように走り続けるつもりだよ」 [オートスポーツweb 2024年09月28日]