令和の虎・岩井社長が「肺がん」を告白 転移しやすい部位・症状・治療法を医師が解説
肺がんが転移しやすい好発部位・主な症状
肺がんはどの部位に好発し転移しやすいのでしょうか。ここからは、肺がんが転移しやすい好発部位を紹介します。 「リンパ節」 肺がんのがん細胞はほかの臓器に比べてリンパ節への転移が多いとされています。特に肺の所属リンパ節と呼ばれるリンパ節への転移はおよそ6割に及ぶことがわかっています。 「骨」 肺がんは骨への転移も珍しくありません。骨は頭部から足部まで全身にあります。そのなかでも、肋骨や骨盤、脊椎などへの骨転移が多い傾向にあります。 「脳」 脳に転移するがんのうち、その原因の半分は肺がんであることがわかっています。次いで原因なることの多いがんは乳がんですがその割合は1割程であり、転移性脳腫瘍のほとんどが肺がんによるものであることがわかります。 「肝臓」 胃がんや大腸がんから肝臓への転移は少なくありません。しかし肺がんも例外ではなく、肝臓への転移が起こることがあります。 「副腎」 肺がんの転移先は左右反対側の肺、肝臓、骨、副腎の順に多くみられます。また副腎への転移率は、およそ35%程度と決して少なくないことがわかっています。
肺がんの転移・再発に対する検査・治療法
肺がんが転移や再発した際、どのような検査や治療法を行うのでしょうか。ここでは、肺がんの転移・再発を調べる検査方法や治療法を紹介します。 「検査方法」 肺がんは脳や骨、肝臓などさまざまな臓器に転移する可能性のある病気です。そのため、肺がんのがん細胞の転移の有無を複数の検査で全身検索します。肺がんの転移を調べる検査は以下のような検査です。 ・CT検査 ・MRI検査 ・超音波検査 ・骨シンチグラム 肺がんは、がんの進行度によって7段階に分類されます。そのなかでがんが小さく転移もしていない1A期のがんであっても、再発の可能性がないわけではありません。そのため、がんの治療後5年間は、早期に再発を発見するために定期的な検査を受けることが推奨されています。この場合の検査内容は、特定の検査が決まっているわけではないので、治療を受けた医療機関で問診・血液検査・画像検査(レントゲン・CTなど)を医師の判断で受けます。 「治療法」 他臓器が原発巣であるがんが肺に転移した場合、治療方法を決定するのは原発巣の種類です。肺へ転移してきたがん細胞に抗がん剤が使用できる場合は、抗がん剤を使用します。 しかし抗がん剤が使用できない場合、治療方法の選択肢は手術によるがんの切除や放射線療法です。また肺がんがほかの臓器に転移した場合は、転移した部位に合わせた治療が選択されます。