3月20日から昼と夜の長さがほぼ等しくなる『春分』。「陰」から「陽」へ転ずるこの時期に起こりやすいトラブルとは?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
「二十四節気」とは中国で誕生した旧暦(太陰太陽暦)で、1年を約15日ごとに24等分した季節の名称のこと。この連載ではその二十四節気に沿った過ごし方や備え方、旬の食材を、漢方コンサルタントの櫻井大典さんが紹介します。「二十四節気は不調を防ぎ、日々をより豊かに過ごすための“知恵”の結晶」と語る櫻井さん。今回紹介する季節は「春分(3/20~4/3頃)」です。 【イラスト】花粉症による目のかゆみに効果がある食材は… * * * * * * * ◆春分(しゅんぶん) 3/20~4/3頃 春分は、太陽が真東から昇り、真西に沈む、昼と夜の長さがほぼ等しくなる、陰陽調和の日。春の彼岸(春分とその前後3日間、計7日間)の中日にあたります。 南から北へと桜前線が進み、お花見シーズン真っただ中。 春分以降、昼がどんどん長くなるため、中医学的には、この日を「陰」から「陽」へと転ずる日と考えます。 よって、養生では、この「陰」と「陽」をバランス良く補うことが大切になります。
◆中医学的 春分の暮らしかた ・心と身体の状態 昼と夜の長さがほぼ同じとなる春分――。 この頃から夏至(6月21日頃)まで、昼がどんどん長くなっていきます。 中医学では、春分を「陰陽」が転化する時期とし、活動と睡眠などの“陰と陽のバランスをととのえること”を、もっとも大切な養生と考えます。 寒暖差や気圧の変化のみならず、新生活に向けて環境も変化する時期なので、自律神経が乱れやすく、体調不良が出やすいときです。 変化に適応しようと頑張りすぎず、こころと身体をうまくクールダウンしながら、揺らぎの時期を乗り切っていきましょう。 ・起こりやすい不調 春分の時期は、寒暖差、気圧、環境の変化……。 いろいろな変化によって自律神経系のトラブルが出やすい春分の時期は、とくに動悸・発汗・睡眠トラブル・血圧不安定などに見舞われる人が多いでしょう。 とにかく心身が、大きな季節の変わり目のさまざまな“変化”に適応しようとするため、交感神経が優位になりがち。 身体を守るためにエネルギーを消耗しやすくなるので、“夏バテ”ならぬ“春バテ”に陥ることも少なくありません。 立春以降、引き続きですが、メンタルも不安定になりがちです。