名馬と日本語で心通わせ…フランス生まれのルメールが騎手人生語る〈関西発 月イチ! SPORTS〉
「最も重要なのは、馬の良いリズムと呼吸を保つこと。馬が今、快適かどうかを感じ取ることが非常に大切です。09年にウオッカで勝ったジャパンカップ(GI)は完璧なレースでした。彼女はスタミナが足らなかったので後ろすぎず、前すぎず、完璧な位置取りで、07、08年と勝てなかったレースを鼻差で制することができました」
「最高の騎手と思ったことは一度もない」
――近年ではGI9勝(海外含む)のアーモンドアイやGI6勝(同)のイクイノックスが印象的だった。
「共通点は、とても賢いこと。自分の仕事をよく知っています。調教中やパドックでは静かなのに、馬場に入ると、ライオンのようになります。(圧勝した23年のジャパンカップでは)イクイノックスに乗って疾走するのが、ただただ楽しかったです。いつもはレース中も多くのことが頭に浮かぶのに、重圧はどこかへ行ってしまいました。初めての経験でした」
――日本語も堪能だ。
「通年免許を取る時、(NHK連続テレビ小説の)『マッサン』を見て勉強しました。彼女(外国人ヒロイン)の日本語は聞きやすかったです。今では馬に語りかける時も日本語が出ます。京都に住んで10年になります。歴史や互いを尊重する文化、禅、たくさんのお寺。気持ちが落ち着く、静かで平和な街です」
――今年も残りわずか。
「落馬負傷もありましたが、7度目のタイトル(最多勝)を目指します」
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