今すぐ「AIに淘汰される上司」の悲しすぎるルーツ 上司の仕事は「情報管理」でなく「目標管理」である
「上司から教わることはない」 「この職場では成長できない」 と烙印を押されてしまう。 ■AIに淘汰されていくマネジャーの特徴 そもそもの問題は、ほとんどのマネジャーが自分の役割をわかっていないことだ。マネジャーの仕事は目標管理である。どのように目標を達成させるのか。そのための管理がマネジメントである。 おそらく組織が小さなころは、マネジャーも本来のマネジメントの仕事を果たすことができたであろう。 しかし組織が大きくなると、いつの間にかそれができなくなる。
組織の規模に伴って、階層が深くなるからだ。本部長がいて、部長がいて、課長がいる。経営陣の下に3階層も組織マネジャーがいると、上からの情報を下へ伝達すること、下からの情報を吸い上げて上に伝達することが、マネジャーの仕事だと思うようになる。 つまり、いつの間にかマネジャーの仕事が「目標管理」から「情報管理」に変わってしまうのだ。 そう勘違いすると、マネジャーも都合がいい。自分の存在意義を肯定できるからだ。会議で報告させたり、情報共有することで仕事をした気分になれる。
しかし、デジタル技術の発達とともに、その役割はほとんど不要になった。 世の中には、便利なITツールが星の数ほどある。しかるべきタイミングで、しかるべき情報を入力することで、情報資産が蓄積され、それが組織の問題を解決する重要な手掛かりを見つけてくれたりする。 25年以上前のこと。私が日立製作所にいたころに、営業活動を見える化する「SFA/CRM」の設計開発に携わった。このシステムがあることで、営業マネジャーが、
「現状どう?」 「今期の数字はいきそう?」 と部下の営業たちにヒアリングする必要がなくなるのだ。 日々の営業活動で知り得た情報を正しく蓄積することで、商談のどこに問題があるのか? どのようなお客様に何を提案すれば受注する確率が高まるのか? システムが教えてくれるようになる。 ■上司の仕事は「情報管理」ではなく「目標管理」 昨今は、進化したAIを実装しているため、これらのシステムは精度の高い売上予測までできるようになった。「目標管理」こそがマネジャーの仕事だと理解している人は、このようなシステムを導入したいと思うし、部下に活用させる「権限」がある。