今すぐ「AIに淘汰される上司」の悲しすぎるルーツ 上司の仕事は「情報管理」でなく「目標管理」である
しかし職場内のコミュニケーションに関しては、どうか? たとえば、リアルで集まって「進捗報告」をさせる会議で考えてみよう。 メンバー10人を集めて、1人ひとりに 「今月はどう? 今の進捗を教えて」 とマネジャーが声をかけていく。それに対してメンバーは、 「今月の売上は670万円程度で着地しそうです。さらに上積みを狙っていきますが、けっこう難しいかもしれません」 「800万円の目標に対して、全然達成してないじゃないか」
「来月以降も厳しいです。値上げの影響が響いてまして」 「その話は先月も聞いたよ」 「申し訳ございません」 こんなやり取りが、2時間近く続く。同席した若者は、きっとこう思うだろう。 「1日の勤務時間が7.5時間なのに、2時間もこんな会議に費やすなんて、信じられない!」 手元の資料をめくりながら、 「進捗管理資料を見ればわかること」 「わざわざ集まって報告させる意味がわからない」 と呆れるはずだ。しかも会議がはじまってもムダ話が多かったり、成果が出ていない人の言い訳を聞かされたりしていると、
「大事な時間を返してほしい」 と誰だって思う(若者だけではない)。 ある25歳の営業が、このような不満を口にしていた。 「ある日、突然ミーティングルームに集められて、他社の成功事例を聞かされたんです。そんなことに30分もかけるなんて意味がわからない」 「配布された資料を読めばわかることだし、いきなりその場で意見を求められても、何を言ったらいいかわかりませんでした」 課長の呼びかけで、中堅から若い営業までの8人が集められ、30分近く拘束されたという。しかも一度や二度ではない。こういった日々の出来事に、強い不満を感じるようだ。
「あれで、お客様のところへ行く時間が大幅に遅れました。あんなことやっておいて、生産性を上げろ。残業はダメと言われても、できません」 「私が参加しているオンラインサロンではSlackを使っています。Slackを使えば、サクッと情報共有できるし、活発に議論もできる。職場でもそうしてほしい」 こう訴える。 繰り返すが、実務に関する上司のアドバイスは心強い。そこに不満はない。 しかし実務以外で学ぶことがない上司への失望感は、大きい。その実務でさえもAIやロボットに置換される可能性があると確信したら、