加藤登紀子の山の日ソング「スリリングな箇所も楽しんで皆に歌ってほしい」
THE PAGE
今年から新たに8月11日に制定された国民の休日「山の日」。その記念として作られた「山はふるさと」を昨年歌手デビュー50周年を迎えた歌手・加藤登紀子さんが歌う。一般公募から選ばれた吉井省一さんの詩にピンクレディーや山口百恵などの楽曲を担当した都倉俊一さんが曲をつけた。山の日当日は各地でイベントが開催される予定。長野県松本市内のホールでは、地元の少年少女合唱団が「山はふるさと」を披露することになっている。 山や自然が大好きで、近年、野外音楽フェスにも参加する機会が増えたという加藤さんが、この山の日記念ソングへの想いや自身の山や自然とのふれあい、そしてこれからの活動などについて語ってくれた。
山の日記念ソング、「山はふるさと」はどんな歌ですか?
加藤:「山はふるさと」は山がある故郷に住んでいた人が都会に出て、心を休めるために自分の故郷に帰ったときの想いを歌にしたんですね。おかえりって言ってくれる、よく来たねって言ってくれる、そういう故郷に山があった人の想いがよく伝わってきます。今はとくに故郷はないって人多いんじゃないでしょうか? でも、故郷をを持ってないのに「うさぎ追いし~♪」って歌いますよね。「山はふるさと」も「ふるさと」と同じで、山だったり川だったり、海だったり、やっぱり自然をしっかり包んでくれる場所から少し離れている人たちに歌ってもらえたらうれしいですね。これを聴くと「山に行ってみようかな」って歌に育ってくれるといいですね。 作曲の都倉さんがこういう曲を書いたっていうのは珍しいね。彼は都会派だから、どんな曲を書くのかすごく楽しみにしていました。歌いやすいですよ、すごく。自然に入っていけるような。 「街の暮らしを遠く見て~♪」「時代(じだい)の流れにはぐれたら~♪」ってところ、いいですね。山に向かってじゃなくて、自分の心の中にあることを歌っているものですから。ここが一番いいメロディーが流れていると思います。たぶん作詞の吉井さんもこのあたりに一番気持ちを込めて書かれたのでしょうね。 歌うとき、1カ所だけスリリングなところがあるんですよ。耳で覚えた人は大丈夫だと思いますが、譜面で見るとちょっとスリリングだね。転調していて、コードですごい冒険しているところがあるんです。1番は「夢のつぼみを咲かせた花に~♪」、2番は「天空(そら)が奏でる星座の歌に~♪」、ここの4行にも思いが込められている気がします。 子どもたちの声も聴きたいですね。学校で教科書に載るといいね。学校のコーラスで歌うのなんていいかも。一カ所難しいところがあるから、音楽的にもしっかり勉強しましょうっていうのもあるし、この難所をクリアしたときに気持ちがいい、やったーって気分になれますよ。教材としてもいいと思います。