加藤登紀子の山の日ソング「スリリングな箇所も楽しんで皆に歌ってほしい」
昨年、デビュー50周年、今年はピアフ生誕100周年ですね。今後の活動について教えてください
「ピアフ物語」は2年前に一度京都で初演していて、それをリファインして今年のコンサートに持っていっています。だいたい作り上げていますが、これはずっと歌っていきたいと思う、私のたどりついた一つのプログラムだと思っています。同時に『愛の讃歌 エディット・ピアフの生きた時代』という本も出しました。国内ツアーを終えた後、11月3日にはパリでも公演します。 今、あらためてフランスの良さをこれまで以上に感じてますね。フランスはさまざまな国や人種の人たちを受け入れて、融合文化を作ってきました。とくにパリは何があっても、これまで通りに人を分け隔てせず、いろいろな人たちとうまくやっていきたいというポリシーがなくなっていないのが立派だと思います。この素晴らしい文化の在り方を肥やしにして生きてきた一人として、フランスに元気になってほしいし、応援したいという思いを込めてコンサートをやります。 私にとってのフランスは点と線。95年以来、今回は21年ぶりのコンサートです。65年に日本アマチュア・シャンソンコンクールに優勝して、ドイツ、フランス、イタリアを旅をさせてもらって、そのときから私の歌手活動がはじまりました。89年にパリでコンサートをしました。アルバムのレコーディングも2回して、その都度コンサートをしてきました。ピアフの関連では、フランシス・レイさんの晩年のオリジナルアルバムの中でも歌ってますし、フランスのミュージシャンを招待して日本でコンサートもしています。私の歌手活動の中ではフランスは脈々と息づいてます。映画『紅の豚』『キャプテンハーロック』のフランス版ではフランス語の歌を書いて歌っています。そういう歌をフランス人が聴いてますが、知名度があるかはわかりません。でもたくさん友だちがいて、音楽のつながりがあって、待っていてくれる人もいるかと思います。 【リリース情報】 シングルCD「山はふるさと」、カップリングに「富士山だ」を収録。オリジナルカラオケ、楽譜付き。1204円(税別)、8月11日発売。