きっかけは「SR400」!? 人気急騰の激戦区400cc単気筒マシンを比較
■速さを感じるトライアンフ「スピード400」「スクランブラー400X」
クラシカルなルックスでありながら、水冷エンジンを搭載しているのがトライアンフの「スピード400」と「スクランブラー400X」。シリンダーには空冷風のフィンが刻まれ、丸目ライトにティアドロップ型のタンクなどオーセンティックなバイクらしい外観ですが、フロントフォークは倒立式とされているなど、トライアンフが位置付ける“モダンクラシック”らしい装備です。 ボア×ストローク値を見ても89×64mmとかなりショートストロークな設計。最高出力も40PS、最大トルク37.5Nmと、ここまで紹介してきた空冷モデルとは比較にならないハイスペックとなっています。実際に乗ってみても、パフォーマンスの違いは明らかで、軽くアクセルを開けただけで車体を強く押し出すようなパワーが感じられました。狭い街中では、アクセル操作にちょっと気を遣うくらい。単気筒モデルでも走りに妥協したくないライダー向けの特性です。 ホイール径は「スピード400」が前後17インチ、「スクランブラー400X」はフロントが19インチとなり、溝が多めのタイヤを履くなど未舗装路も想定したスクランブラー的な装備となっています。価格は「スピード400」が69万9000円、「スクランブラー400X」が78万9000円と思ったよりも差があります。
■KTMらしい走りが味わえる「390 DUKE」
今回紹介する単気筒バイクの中でも異彩を放っているといえるのがこちら。「DUKE」シリーズはKTMの中ではネイキッドに分類されていますが、個性的な外観でいわゆるストリートファイターといったほうがしっくりくる人は多いでしょう。オフロードカテゴリーで活躍してきたKTMが、そのエンジンを使ってロードモデルに進出する契機ともなったシリーズです。 ここまで紹介してきたモデルは、シンプルでオーセンティックなシングルマシンの特徴にフォーカスしたものでしたが、「390 DUKE」はそんなルーツもあって、かなり“走り”に注力したマシン。外観も近未来的でアグレッシブなものですが、エンジンも最高出力45PS、最大トルク39Nmとかなりハイパフォーマンスです。ボア×ストローク値は88×64mmと、もちろんショートストローク。フィーリングも単気筒の鼓動感よりも、ガンガン高回転まで回るアグレッシブな特性です。 足回りもWP製の倒立フロントフォークとリアのモノショックと、性能重視のセレクト。鋼管トレリスフレームも2024年モデルでフルモデルチェンジされ、さらに剛性を高めています。コーナーを曲がる楽しさは、シングルマシンというよりアップハンドルのスポーツマシンという印象で、単気筒のフィーリング云々ではなく、軽さとスリムさのためにシングルシリンダーが選ばれているといったほうがいいでしょう。