<福山潤>「狼と香辛料」新作で「一から演じる」望外のチャンス 15年前は「一番苦しかった」
電撃文庫(KADOKAWA)の支倉凍砂(はせくら・いすな)さんの人気ライトノベル「狼と香辛料」の約15年ぶりとなる完全新作テレビアニメ「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」が、4月1日からテレビ東京ほかで放送される。同作は過去にもテレビアニメ化され、第1期が2008年、第2期が2009年に放送されており、新作は原作の第1巻から再アニメ化される。前作と同じく、声優の福山潤さんがメインキャラクターの行商人クラフト・ロレンス、小清水亜美さんが狼の化身である少女・ホロを演じることも話題になっている。約15年の時を経て、再びロレンスを演じる福山さんに新作に懸ける思い、収録の裏側を聞いた。 【写真特集】新作「狼と香辛料」 ホロが可愛い! ロレンスと二人で 美しいビジュアル一挙紹介
◇自分が今できるロレンスを一から作る 過去は一切振り返らない
「狼と香辛料」は、行商人クラフト・ロレンスが、豊穣(ほうじょう)の神としてあがめられていた狼の化身のホロと旅をする姿を描いたライトノベル。街から街へと商品を売り歩く日々を送っていたロレンスは、自身を賢狼と呼ぶ美しい少女と出会い、彼女の「遠く北にあるはずの故郷・ヨイツの森へ帰りたい」という望みを聞き、共に旅をすることになる。
新作テレビアニメは、前作の続編ではなく、ロレンスとホロの旅が一から描かれる。福山さん自身も新作制作の話を聞いた時は「続編だと思っていた」と振り返る。
「収録の第1話の台本をもらって読んだ時に『あれ? このシーンは演じたことがある』と。そこで初めて第1話から作ることを知ったんです。気持ちとしては、正直複雑でした。こういうことを言っちゃいけないんですけど、一度やったことがあるものをやるのは、難しいんです。どこに立って、自分は演じ始めればいいのだろうと」
新作は、前作で監督を務めた高橋丈夫さんが総監督として参加し、前作の第2期に演出として参加したさんぺい聖さんが監督を務める。福山さんは「15年前のあの雰囲気をなかったことにはしない」「とはいえ、そこが絶対ではない」という新作の方向性を聞き、「自分が今できるロレンスをもう一回作るしかない」という思いで収録に臨んだ。