夫の怪死後「アヒル口に整形」「パパ活」「家賃踏み倒し」…“無罪主張”「紀州のドンファン」事件「須藤早貴被告」の闇
韓国で整形
一方、須藤容疑者は野崎氏と死別後、田辺市の自宅にはほとんど寄り付かなくなっていた。 野崎氏の会社関係者によると、 「須藤容疑者は、すでに名前も旧姓に戻しました。最後に会ったのは市内の寺で執り行われた社長の三回忌法要です。弁護士事務所の男女スタッフ2人を伴って現れた。法要中、ずっとマスクを着けていたのですが、ふとした拍子で外したときに顔を見ると、須藤容疑者はまるで別人のようになっていました」 目元がパッチリで、唇は「アヒル口」になっていたとか。 「以前、須藤容疑者から“このままでは日本で暮らしていけないから韓国で整形手術を受ける”と聞いていました。三回忌前に、それを実行したのかと。もし、須藤容疑者だと名乗らなければ、街中でばったり会ってもわからないくらい顔が変わっていた。それ以来、須藤容疑者はこちらには戻ってきていません。スマホの番号も変え、どこで何をしているのか、まったくわからないのです」
事件当時、須藤容疑者は野崎氏と結婚生活を送る田辺市とは別に、東京・新宿区のマンションを借り、もう一つの生活の拠点にしていた。すでに、そのマンションを引き払い、次はさいたま市に移り住んだと見られている。 捜査関係者が続ける。 「さいたま市のあとは、荒川沿いの足立区のマンションに転居しました。ところが、マンションの家賃を踏み倒し、“夜逃げ状態”で、そこも引っ越した。須藤容疑者は、18年7月末に野崎さんの酒類販売会社の社長に就き、報酬4千万円を得る手続きを取りました。しかも、野崎さんからのお手当も溜め込み、千万単位で持っていたはずなのに、カネ遣いが荒いためにすでにスッカラカン。目下、得意のパパ活で、品川駅近くのマンションに転がり込んでいます」 なおかつ、忍び寄る捜査の手から逃れようと、今春をメドにドバイへの高跳びも画策していたという。 「野崎さんへの須藤容疑者の自己紹介は、“中国やドバイでモデルの仕事をしていた”というものでした。過去、ドバイ滞在をインスタにアップしたりしていたので、多少の土地勘があるのは間違いありません。万一、ドバイへの渡航を許せば、事件のお宮入りは確実。一部のメディアに須藤容疑者の”海外移住計画”をリークし、その阻止に動きつつ、逮捕を急いだのです」 相続財産管理人が弾き出した野崎氏の遺産総額は13億2千万円。「田辺市へ全額寄付」と記された遺言状の真贋につき、田辺市と野崎氏のきょうだいらが係争中のため、未だ遺産相続は行われていない。仮に、田辺市への全額寄付が認められたとしても、須藤容疑者は「遺留分」として、その半分を手にすることができた。しかし、欲の皮が突っ張り過ぎたせいで、大金を得られたはずのパパ活は失敗に終わるのだろうか。
*** 逮捕から3年、上記の田辺市と野崎氏のきょうだいとの訴訟は、この6月に和歌山地裁で「遺言書は有効」との判決が下され、遺族が控訴。現在も係争中のため、遺産相続手続きはまだ開始されていない。 また、須藤被告は、約3000万円の詐欺容疑でも起訴されているが、その判決が9月2日に和歌山地裁で下され、懲役3年6カ月の実刑判決が言い渡された。いよいよ本丸の「殺人罪」での公判がスタート。裁判所は事件の謎にどこまで迫ることが出来るのか。 デイリー新潮編集部
新潮社