<独占インタビュー>横浜DeNA“番長”三浦が狙う「完全試合」の哲学
――昨年は前半戦を首位で折り返しながら後半は失速しました。何が足りませんでしたか? 「すべてが足りなかったんじゃないですか。ピッチャーも打者も。首位といっても、それはあくまでも途中経過だし、その時点でのゲーム差もほとんどなかった(2位の巨人と0.5差)。ゴールしてどこにいたか、ということなんです。前半首位だったとしても、2015年は最下位だったんです。それだけを考えて、今年どうするか。ただ前半、85試合の時点で、上に立てるだけの力はついてきた。体力的なものか、コンディショニングの問題なのか。大切なのは、今年のチームのテーマでもある凡事徹底ですよ。当たり前のことを当たり前にすれば、ああは(首位から最下位転落)ならなかったと思います。それが何が足りなかったのかの答えかもしれません」 ――ローテーションの5、6番手でいいという考えだとか? 控え目すぎません? 「何年も前から言っていることです。(6勝6敗は)エースと言われるには恥ずかしい成績です。そういう成績で、僕がエースと呼ばれるなら、それはチームが弱いってことなんです。それに5、6番手が、謙虚だとは思っていません。あくまでも例えであって、ギラギラしていないのか?と問われると、そうじゃない」 ――昨年は、開幕1軍から漏れました。ご自身では、なぜだと? 「去年も若い選手が(オープン戦で)結果を残していましたからね。だからじゃないですか」 ――実績があってもオープン戦の結果で争わねばならない? 「それは監督が決めることです。僕はやるだけ、あとは、どう判断されるか。僕ひとりのチームじゃないんです。そこは監督の判断ですよ。自分としては、シーズンでどういう成績を残すか、それが最優先です」 ――目標に掲げる数字は? 「ひとつでも多く。特に何試合、何イニングよりも、優勝したい。目標はそこですから」 ――200勝まで28勝ですが、それについては答えがわかっているので聞きません(笑)。それより、ここまで172勝181敗と通算勝ち星を負け数が上回っています。これだけは、なんとか今年こそ逆転を(笑)。 「それもよく言われるます。勝ちが多いに越したことがないっすよね。通算勝利は積み重ねだけど、勝負して、ひとつでも多く勝つことがチームのためになる。それだけですね」 ――実は、ヒットも23年連続安打が続いています(歴代5位)。 「そこは打ちたいなあと思っています。ファンが喜んでくれる、そこはこだわりますよ」 ――三浦の哲学。それは今年も貫かれますね? 「先発をやる限りは、毎回、完全試合を狙っています。ひとつファオボールでランナーを出せば、次はノーヒットノーラン。ヒットを1本打たれれば、次は完封です。1点を取られた。ならば、次は完投を狙います。その気持ちは今年も変わらません」 ――最後に。三浦さんの2016年シーズンをひとことで表現するならば。 「横浜DeNAが優勝すること、それしかないです。投げて勝ってチームに貢献したい。僕が貢献できなければ、優勝ができないという責任感もあります」 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)