<独占インタビュー>横浜DeNA“番長”三浦が狙う「完全試合」の哲学
――山本昌氏が、「あと8年やれ! やれる!」と対談で言ったそうですね。 「8年後など、とても考えられず、まずは今年どうするか、です。40歳以上までやろう、と思ってやってきたわけではありません。1年、1年。チームを導くためにどうするか。1年勝負です」 ――山本昌氏が、50歳までやる秘訣は、「真っ直ぐが通用するかどうか」だと。「それはスピードガンの数値でもなく、速く見せる技でもなく、配球に自信を持って入れ込み、コースに投げ切ることのできる真っ直ぐだ」という意見を聞きました。 「それは同じ考えです。右バッターから一番遠く、そして低い、アウトコース低めのストレートが基本だし、そこに切れのあるボールを投げることができるかどうか。きっちりと体を捻って、体を引っ張ってこないと、投げることができないコース。スピードよりも切れ。それがあるかないかは、自分でわかります」 ――なるほど、それがキャンプでもバロメーターだと。 「そこに、キレのあるボールが行くようになってくれば、次の段階のカーブ、スライダーと行くのですが、それがなければ、次にいけないんです」 ――2人のトリプルスリーなど、若いスラッガーが出てきました。 「あまり年齢は気にしていません。同じ年齢のバッターがいれば、多少意識はしますが、ガッツ(中日の小笠原)も引退しましたし、年齢がどうあれ、どうやって抑えようか、年の差があってもただの一人の打者として見ています。まあ、相手がルーキー、プロ初打席とかの対戦の場合は、打たれると名前が残るので(笑)なんとかして抑えてやろうと思いますけどね。マウンドでは、どんなバッターであろうと強気でいます」 ――昨年は、ソフトバンクの柳田に電光掲示板を破壊する特大のホームランを打たれました。ああいう一発の後は恐怖感が沸いたりしないものですか? 「怖いと思うことはないですね。スライダーが抜けて、打たれましたが、(どれだけ飛距離が出ても)1点は1点だと、割り切っていました。次をどう抑えるか。それしか考えていません」 ――その冷静さがベテランの味でしょうか。 「冷静ではないですよ。熱くなることもあれば、打たれて悔しいこともある。でも怒りに任せて投げて150キロが出るわけではないですから。冷静にグラウンドを見渡してみたり、深呼吸をしたりして切り替え、どうすればアウトを取れるのか。それしか考えていない」 ――なるほど。 「これさえ投げておけば抑えられるという真っ直ぐもなければ、変化球もないですからね。結局、打者の裏をかいたり、嫌なところに投げて出し入れをしないと生きていけない。何も考えないで、力で抑えられるなら、そっちで勝負しているでしょうけど」