【宝塚記念 みどころ】夏の始まりを告げる 灼熱のグランプリ 主役はドウデュース!春秋グランプリ制覇なるか!?
ドウデュースの一強体制に待ったをかけるとすれば、同じ5歳のジャスティンパレスか。 春のクラシック戦線で期待に応えられなかったが、3歳秋に本格化。 神戸新聞杯を制して菊花賞では小差の3着に入るなどステイヤーとしての片鱗を見せると、4歳になった昨年春は阪神大賞典、そして天皇賞(春)を連勝してGⅠホースの仲間入りを果たした。 長距離向きのスタミナだけでなく、天皇賞(秋)では勝ったイクイノックス以上に速い上がりを使って2着に食い込むというスピード決着にも対応し、有馬記念は4着に敗れたとはいえ、その末脚はドウデュースに次ぐ速さだった。 ドウデュース同様、ドバイ遠征以来での実戦となる今回。 京都コースは天皇賞(春)を制した時に走っているため相性の良さを感じさせるが、それ以上に期待が持てるのはクリストフ・ルメールとのコンビ。 キャリア全5勝の内、4勝をルメールとのコンビで挙げていて、しかもこのコンビでの戦績は4戦負けなし。昨年のイクイノックス同様、漆黒の王者が夏のグランプリを制するのだろうか。
今年の宝塚記念は5歳馬が中心になっている感があるが、4歳馬にも活きのいい馬はいる。大阪杯を制して臨むベラジオオペラはそんな4歳勢の代表格だ。 無傷の3連勝でスプリングSを快勝。道悪馬場すら気にしないパワフルな走りに目を奪われたが、肝心のクラシックでは皐月賞10着、ダービー4着ともう一つ振るわなかった。 ベラジオオペラが目覚めたのは3歳の冬のこと。菊花賞をパスして中距離戦線に的を絞り始めた際に狙ったチャレンジCでは+20キロという成長した馬体からパワフルな走りを見せて快勝。 4歳緒戦の京都記念こそプラダリアに屈したが、上がり3ハロンの時計はメンバー最速と力のある所を見せてくれた。 そして大阪杯ではスタートから終始2番手に付けて流れに乗ると、直線でも早めにスパートを打って快勝。世代レベルに疑問符があるとされた明け4歳の代表として堂々たる走りでGⅠを制してみせた。 ここまで8戦して、馬券圏内に入れなかったのは昨春のクラシックの2戦のみという具合で抜群の安定感を誇るベラジオオペラ。強気の先行策を見せれば、ここでもスターホースたちを蹴散らすかもしれない。 歴代最多投票数を集めた現役屈指のスターホース、遅咲きの青鹿毛の覇者、そして昇龍の勢いで駆け上がってきた若き才能、あるいは……今年の宝塚記念も熱い戦いになりそうだ。 ■文/福嶌弘