なぜ? 不可解と物議醸した「戦力外」選手たち 功労者や、期待の若手に “予期せぬ通告”
プロ入り後、わずか3年で育成選手への格下げを通告され、自ら引退を選んだのが、DeNAの内野手・田部隼人だ。 開星高からドラフト5位で入団した田部は、2年目の21年5月18日のイースタン、巨人戦で1試合2本塁打を記録、翌22年4月6日の阪神戦で代打として1軍デビューをはたした。同年はイースタンでも80試合に出場し、打率.258、2本塁打、38打点と、チーム2位の安打数(66)と打点を記録した。シーズン後はフェニックスリーグに派遣され、本人も4年目のさらなる飛躍を期していた。 ところが、10月31日、試合を終えて宿舎に戻ると、突然の戦力外通告が待っていた。来季は支配下契約を結ばず、育成契約を結ぶということだったが、1軍の選手として考えていないことを通告され、心が折れた田部は5日後に現役引退を申し出て、20歳の若さでユニホームを脱いだ。 今年もウエスタンでリーグトップの出塁率.392、リーグ2位の30盗塁を記録した阪神5年目の内野手・遠藤成が戦力外通告を受け、「なぜ?」とファンを驚かせた。現役続行を希望する23歳に吉報が届くのを祈るばかりだ。(文・久保田龍雄) ●プロフィール 久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2020」(野球文明叢書)。
久保田龍雄