北陸新幹線じゃなく福井へ! 開かずの酷道にできた新冠山峠トンネルを筧 五郎が行く
福井でナカジと越前そば
今回の旅は福井県側から冠山峠を抜けるルートだ。 越前そばを食べたくて福井県在住の元プロレーサー中島康晴さんにおいしいおそば屋さんを紹介してもらった。お店に到着したら見た顔がいるなぁと思ったらナカジーさん。僕らの到着を待っていてくれていたのだ。中島さんは「ナカジ」と親しまれているのでそのように呼ばせてもらう。 ナカジの一押しの越前そば屋は「そば処 一福」。お腹が空いていた僕は大盛を食べたくて「ナカジ、僕は越前そば大盛ね」と伝えたら「五郎さん、越前そばは大盛と言わず”大”と言うんですよ」と教えられた。「ワサビのっけますか? 」と聞かれたので、もちろんと伝え「だしの味はどうしますか? 」とナカジお勧めの塩だしを注文した。醤油だしが一般的だが、ここは塩だしがおすすめらしい。おろし大根に生ワサビが乗って、ドーン! と僕の前に現れた。 お腹が空いていた僕はワサビを混ぜて食べようとしたら、ナカジが「そんなに混ぜたら辛いですよ! 」と言ってきた。 僕は「大丈夫大丈夫」と辛い物好きだからと言いながら口に入れたら、ゲホゲホとなりながら辛味がつーん! と鼻を抜けていった(笑)。人の言う事は聞くもんだと痛感した……。 大根おろしも辛味があってうまいが、塩だしとのコラボが素晴らしかった。越前そばの特徴はそばが太い。信州そばはあまり噛まずにすすることを楽しむので麺は細めだ。 大を注文したのだが量は少な目、しかしそばが太いので噛み応えがあり、満腹中枢を刺激し、満足感は多めだ。噛む回数が多いのでそばの香りを長い時間楽しむことができた。
トンネルの前にかずら橋を渡る
その後はナカジお勧めのかずら橋へ。 かずら橋と言えば四国を縦断する国道439号の祖谷のかずら橋が有名だ。じつは僕はかずら橋が苦手だ。というのも足元の木の間が異常に空いていて、下の川が見えるのが苦手なのだ。国道439号を旅したときに渡らなかった理由は怖いからだ。 しかし今回は断れない(笑)。恐る恐る渡るのだが、大人3人が渡れば橋は揺れる「こらぁ! 揺らすな! 」と怒りつつも渡り慣れているナカジは早歩きでササっと渡って行った……。 さすが、国体ロードレース2連覇。国際レースで数々の勝利をスプリントで勝ってきただけありバランス感覚が素晴らしかった。 かずら橋から9kmほど緩やかに上り、冠山トンネルの入り口を目指すのだが福井県のガードレールは僕らがよく目にする白いガードレースではなく、石ガードと言うべきか大きな長方形の石が置いてあるのだ。 そして徐々に標高を上げていくが勾配はそれほどきつくない。気持ちよく走れる道だ。 そしてトンネル入り口へ到着した。