国連総長、イスラエル首相に文書で抗議 UNRWA活動禁止法案めぐり
【AFP=時事】国連のアントニオ・グテレス事務総長は29日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に書簡を送り、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の事実上機能停止に追い込む可能性のある新法に抗議した。 イスラエル国会が可決した新法は、国内および占領下の東エルサレムでのUNRWAの活動を禁止し、イスラエル当局との連絡や調整を妨げるものであり、これによりガザおよび占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸でのUNRWAの活動が事実上終了する可能性がある。 イスラエルは長い間、UNRWAと対立しており、同機関の一部の職員が昨年10月7日のイスラム組織ハマスによる越境攻撃に関与したと主張している。この攻撃がガザ紛争の引き金となった。 新法は3か月後に施行される予定だ。 AFPが確認した書簡の中でグテレス氏は、ガザと西岸のパレスチナ人に必要な援助と支援を提供するための合理的な選択肢はUNRWA以外に存在しないため、新法はこうした人々に「壊滅的な影響」を与える可能性があると指摘。 「あなた(ネタニヤフ氏)とイスラエル政府に対し、そのような壊滅的な影響を防ぎ、UNRWAが国際法に基づく義務に従って、東エルサレムを含むパレスチナ被占領地での活動を継続できるようにすることを求める」としている。【翻訳編集】 AFPBB News