銀行の金利が「20倍」に!? 口座の「500万円」はどうなる?「0.001%」の場合と利息を比較
先日、三菱UFJ銀行が預金金利を0.001%から0.02%に引き上げると発表し、大きな話題となりました。同行が普通預金金利を引き上げるのはじつに17年ぶりとのことです。 ▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの? しかし、預金金利が引き上げられる理由や仕組みについてよく理解できていない人もいるかもしれません。 本記事では、金利を引き上げた背景と、引き上げによる効果についてみていきます。500万円を預けた場合の利息も比較するので、ぜひ参考にしてください。
三菱UFJ銀行が金利を引き上げた背景は?
2024年3月19日に三菱UFJ銀行が、円普通預金金利と円定期預金金利の改正を発表しました。円普通預金金利は0.001%から0.02%に、円定期預金金利10年物は0.20%から0.30%になります。 では、なぜ同行は金利を引き上げたのでしょうか。次項で引き上げの要因について詳しくみていきます。 ■マイナス金利の解除 三菱UFJ銀行が金利を改正した背景に、日本銀行(日銀)による「マイナス金利の解除」が挙げられます。 日本では、長らくのあいだデフレ状態(物価が下がる状態)が続いており、賃金上昇も見込めず景気は低迷していました。その対策として日銀は「マイナス金利」の導入を決めたのです。 「マイナス金利」とは、金融機関に対して日銀に預けている預金にマイナスの利息を適用する政策です。この政策により、民間金融機関は日銀に資金を預けると利息を支払うことになり、経済的に不利になってしまいます。 そのため、民間金融機関は日銀に資金を預けるのではなく、その資金を融資や投資に使うほうが経済的に有利になることから、市場に資金を供給することになります。 この政策の主な目的は、金融機関が保有する余剰資金を貸し出しや投資に向けることを促し、経済活動を刺激することです。 しかし、近年の物価上昇や賃金上昇により、日銀は今後も持続的・安定的に賃金上昇が実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、マイナス金利の解除を決めました。マイナス金利を解除したことに伴い、それにつられて一部の民間金融機関は金利を引き上げることになったのです。