【イベントレポート】のん、伊丹十三賞は「背中を押してくれる」宮本信子との思い出も明かす
第16回伊丹十三賞贈呈式が本日9月6日に東京・国際文化会館で開催され、同賞を受賞したのんらが出席した。 【画像】のんにメッセージを贈る宮本信子 俳優、エッセイスト、テレビマン、雑誌編集長、映画監督など、さまざまな分野で才能を発揮した伊丹十三の遺業を記念して創設された同賞。のんの受賞理由は「俳優、ミュージシャン、映画監督、アーティスト......困難を乗りこえ自由な表現に挑み続ける創作活動にたいして」と発表された。 贈呈式では、選考委員の平松洋子がスピーチ。平松は「私がのんさんに初めて出会ったのは連続テレビ小説『あまちゃん』です。リアルタイムで1度も見逃したことがないのが自慢です」と明かし、会場を盛り上げる。さらに「(『あまちゃん』から)約10年が経った今も、当時私たちがのんさんに感じた輝きが、まったく変わってらっしゃらない。奇跡のようなことだと思っています」と称賛。そして「“伊丹十三”という存在とのんさんが重なることに驚きました。伊丹さんがいろいろな才能を持っていたことが、のんさんと共通していますし、困難を恐れないところも同じだと思います」と言葉を紡いだ。 続いて、選考委員の周防正行から賞状、中村好文から副賞100万円がのんに贈られる。のんは「本当に素晴らしい賞をいただき、心からうれしい気持ちでいっぱいです。私は無我夢中で『自分の思いを貫き通すぞ』という思いで活動してきました。私は自信があるほうだと自負していますし怖いもの知らずですが、それでも表現について疑い続け、悩むことがあります。そんなときに『これでいいんだ』と背中を押してくれる、支えになるような特別な賞をいただいたと感じています」と伝えた。また、のんは「(平松に)伊丹十三さんと重なるところがあると言っていただいたことが、うれしすぎて大興奮です。伊丹さんはどの分野でも唯一無二の表現を突き詰めた方。私もそんなふうになれたらと思います」と笑顔を見せる。 贈呈式では、伊丹十三賞記念館の館長であり、伊丹の妻・宮本信子によるビデオメッセージが上映された。のんと「あまちゃん」で共演した宮本は「(伊丹十三賞に)選ばれたって聞きまして、しみじみとしてしまいました。授賞式に出席できなくて、本当に残念で仕方ありません」と切り出し、「のんちゃんに『あまちゃん』の制作発表で初めて会ったとき、無口でシャイで『この子、大丈夫かしら?』と思いました。そして『この子をなんとしてでも守らなくては』と決めました。そこから長い、苦しい道のりがあって、(のんは)よくがんばった。本当に強く、大きく成長しましたね。こんな素敵なことはないと思っています」と優しく声を掛けた。 のんは「この賞をいただいたということは、宮本さんにも私の活動を認めていただいたのかなと感じました。宮本さんとお食事したときに、長編の脚本を書いて見せたら『映画はそんな簡単なものじゃないんだよ』とカツを入れられたこともあって(笑)。今回お褒めいただいて、本当にうれしいです」と明かす。また「宮本さんは厳しい面もあり、すごく優しくて、甘やかしてくれるところもあって……。『あまちゃん』の撮影時、あまりにシャイで前室の着替え場所にこもっていたら、『どんどん、おこもりしなさい』って言ってくださったんです。その言葉が励みになりました。また、宮本さんの演技を間近で見て『こんな演技ができるようになりたい!』と俳優としても鍛えられました」と振り返った。